「“緑の国”を滅ぼしなさい」



私が言った台詞に大臣達は言葉を失ったみたいだった


アメジストが無数にちりばめられた豪華な玉座に腰をおろし、威厳とした声で静かに言い放った私に無数の視線が集まる



「何?何か問題でもあるのかしら?」



一向に返事を返さない大臣達に私は言い放った

すると言いにくそうに一人の大臣が口を開いた


「おそれながら、緑の国を滅ぼす理由がわかりかねます…」


彼の意見に賛同しているのか他の者達は何も言わない



理由?そんなの一つしかないでしょう?



「我が国の財源の為だ。逆らう者は殺して構わぬ」



わざとらしい理由をつけて言うと、大臣達はそれ以上何も言わず、一礼して王室を出て行った



「…いいのか?」

「何が?」



ずっと黙って隣に立っていたシンスケが口を開いた

聞き返すと少しムッとした表情をした


「何がって…お前は今、一国を滅ぼせと命をくだしたんだろーが」

「そうよ?」

「たかが一人の女を殺すためだけにか?」

「!」



シンスケに言われて腹がたった


間違った事を言われたわけじゃない

むしろ本当の事だった


だけど無性に癪に触って、重いっきり睨み付けた



「文句あるの?

私は、あの憎たらしい緑の国の女を、国ごと消してやりたいだけよ」



あの日からずっともやもやして苦しいの

今もあの人とあの女が一緒にいると思うと腹ががたつ


いっそのこと、国ごと、女が、消えてしまえば…

あの人は私の事を見てくれるかもしれない……



「国を滅ぼすって事は数え切れないほどの人間が死ぬって事だぞ」

「構わないわ。愚民どもが何人死のうが」


「隣国から反感くうぞ」

「その国も滅ぼせばいいわ」



「あの男の国も敵に回す気か?」



シンスケの言葉に返事ができなかった


言葉が見つからなくて右往左往していると、調度三回鐘がなった



「あら…」



私はごまかすように口癖を呟いた





おやつの時間だわ

(シンスケ、今日のおやつは?)

(マカロンだ)





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どう話を転がすか未だ悩み中


2011*11*26



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