「王女様!」

「どうしたの?騒がしいわね」



午後のお茶を楽しんでいると、慌てた様子で家臣が現れた

私はというとそんなのお構いなしで、次の舞踏会のドレスについてシンスケと話を続けていた



「ねぇ、何色がいいかしら。やっぱり“紫の国”だからそれ系統?」

「誇り高き“紫の国”ですからそれが妥当かと」

「そうよねぇ」


「あ、あの…」



一向に話をやめない私達に家臣が声をかけてきた

話をやめてそちらを見てやると、家臣は申し訳なさそうに口を開いた


「大変、申し難いのですが…」

「いいわ、早く言いなさいな」


私が催促すると男は改めて口を開いた


「国の財が少なくなってきております」

「…お金がないって事?」

「はい…」


私が聞き返すと、家臣は申し訳なさげに頭を下げた


「じゃあドレス買えないかもしれないわね…どうしましょう」

「それは…」


困った、とシンスケを見上げると「俺にきくなよ」と言いたげに彼は眉間にシワをよせた


「お嬢様のお好きな様になさればよいのです」

「そう?」

「はい、貴女はこの国の王女なのですから」



シンスケ取り繕った笑顔でそう言った

本心ではどう思ってるのかわからないけど


「そうね…」


でもまぁ、シンスケの言っていることは間違っていないわよね

だって私はこの国の王女なんだから



その時、私の頭に妙案が浮かび上がった


「そうね、愚民どもから搾り取ればいいわ」


微笑みながら言うと、家臣は「かしこまりました」とだけ言って去って行った

これでドレスが買えるVv



「…いいのか?」

「なにが?」


シンスケに問われて、逆にききかえしたら「なんでもない」と言われた

少し悲しそうだったのは気のせいかしら



***


「暴動?どうして?」


しばらくして国の各地で暴動が起こっているという報告がはいった

私が訳が分からないと首を傾げると、隣でシンスケが言った


「無理矢理財を巻き上げたからです」

「だって国のお金がなくなったんですもの。仕方ないじゃない」



私とシンスケが話していると、家臣が問い掛けてきた



「いかがなさいますか?」



私の答えは決まっていた

「私に逆らう者は−−」





粛清してしまえ

(さぁ、ひざまづきなさい!)





−−−−−−−−
こんな感じで、高杉さんが高杉さんじゃない感じで進んでいきまーす


2011*11*13



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