「ヤバイヤバイヤバイ」



何がヤバイって?
生徒手帳を無くしたんだよ、バカヤロー


生徒手帳なんか滅多に開かないのに、一体どこに落としたんだか

心辺りなんか無いし、でも探さないわけにもいかない

誰かに中身を見られたら大変だ



「どうしよう…」



下駄箱から教室、調理室まで

私が行く場所は隅々まで探したのに見つからない


もしかしたらもう誰かが拾って届けてるかと思ったけど、落とし物の中にはなかった



…と、いうことは、誰かが所持している確率が高い



まずいことになったなぁ…

生徒ならまだしも、本人にみられでもしたら弁解の予知が



「オイ」

「ひゃあ!?」



突然後ろから声をかけられて飛び上がる

振り向くとそこには白衣を着た晋助がいた


校内では保健室以外で晋助をみることはほとんどない

調理室にはよく出没するけどね



「何きょどってんだよ」


「べ、べつに…。晋助こそどうしたのよ」



た、確かにきょどってたかもしれないけども…


目を反らしながらきくと、晋助は白衣のポケットから生徒手帳を出した


ま、まさか…




「お前ェのだろ。保健室に落ちてたぞ」


「あ、ありがとうっ!晋助まじ神っ」




中身を…正確には中に挟んでる写真を見られては困る

特に晋助には。


まさか1番見られたくない奴が拾ってるなんて…




私はなるべく笑顔を装って、晋助に手を差し出した


「…晋助?」

「ただで返してもらえると思うなよ?」



手帳を返してくれない晋助を睨んだらそんな台詞が返ってきた

有り得ない。だってそれ私のなのにっ



「返して!」

「ガトーショコラ」

「分かった分かった。今度作るから!」



手をのばして晋助の手から手帳を奪おうとした時

ヒラっと、手帳から写真が落ちた



「あ…?」


「きゃぁぁぁぁあ!!なんでもない、なんでもない!!」



落ちた写真を死守して、晋助から距離をとる

こんな行動をとって晋助が面白がらないわけがない



「何だよソレ」


「何でもないデス」



私が一歩さがると、晋助は私に一歩近づく

が、一歩の差がある為にあっさりと捕まってしまった



「いやぁぁぁあ」

「ほら見せろ…って…こいつァ…」

「…!!」



死守していた写真を奪うと、晋助はびっくりしたような声をだした

それからニヤッと意地悪く笑う


もう私の顔は火がでそうなくらい真っ赤だろう



「へー。お前俺との写真なんか手帳にはさんでんのか」


「///」



そうだよ、そうですよ!

私が生徒手帳に挟んでたのは、小さいときの私と晋助のツーショット


だから晋助には見られたくなかったのに!!




改めて言われると、余計に恥ずかしくなって顔が異様に熱い

恥ずかしくて死んじゃいそう



「こ、これは…そのっ」



私が何を言うか楽しみにしているかのように晋助は私を見る

あー、悔しい!











(これは…お守りで…っ)

(ふーん)

(深い意味は無いってゆうか!)

(お前本当に馬鹿だな)

(!?)





2012*02*14 執筆

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