「何作ってんだ?」


「わっ!…びっくりしたぁ」



チョコレートを湯煎で溶かしていると、急に晋助の声がした



「私…鍵かけてたはずだけど…」


「合鍵ぐらい持ってら」


「なんで…あーもういい」



何を言ってもあまり効果はなさそうだ

それに今私は忙しいの。晋助の相手をしている暇はない



「おい」

「んー?フォンダンショコラだよ」

「あぁ、うまいよな」



コイツ…もう食べる気でいるな

まぁ、晋助の為に作ってんだけどさ


「紅茶いれて…お茶にしよっか」


いいながら溶かしておいたバターとチョコレートを混ぜる


「…ん?」


すっ、と晋助が腕をまわして抱きついてきた

恥ずかしくて耳まで熱くなるけど、騒ぐのもなんか悔しいから冷静を装ってみる


「甘い匂いがする」


唇と鼻先を、首筋に埋める様にしながら晋助は呟く

髪の感覚と、吐息がくすぐったい


「そ、それはチョコの…」


晋助を離そうとするけどうまくいかない

それどころか抱きしめられる力が更に強くなっていく



「やだ…っ」



恥ずかしさにたえられなくなって、体をよじる

それに気を良くしたのか、晋助は意地悪そうに喉を鳴らして笑う



「真菜…」

「…んっ」


耳元で名前を呼ばれて頭がぼーっとしてくる

まるで理性が溶け出してるみたいに…


クルッといとも簡単に私の体の方向を変えて腰と頭の後ろに手をまわす

慣れてるな…って感じずにはいられない



「セ…セクハラだよ…っ」

「なんとでも言え」



このままじゃいけないと思って言ってみるも、晋助は動じない


鋭く、獲物を狩る獣みたいな晋助の目は、怖くて、でも色っぽくて虜になる

目が離せなくなったら、逃げられない

あとは食べられるだけ。



ゆっくりと晋助の顔が近づいてきて、目を閉じると、ちょんっと可愛らしい口付けをされた


「…んっ!?」


幾度と無く繰り返される軽いキスに油断していると、急に唇を舐められた

ビックリして緩んだ唇の間へ、晋助の舌が入ってきた


「ん…ふっ」


歯をなぞられ、逃げていた舌を舐め取られる

頭に響くやらしい水音と、晋助のタバコの香りが扇情的に私を襲う



「…っ」



うっすらと目を開けた瞬間。至近距離で晋助の眼が飛び込んできた

私を捕まえた。と満足している様な眼

ゾクッと背中を何かが走り抜けた



なおも続けられる深いキスに、何もかもが溶けてしまいそうだ






フォ ンダ ョコ




(ただいまー)

(!?離れて馬鹿!!)

(痛っ、)








久しぶりに書いたらヒロインの口調が分からない(・д・`●)



2013.01.31 執筆


BackTOP
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -