『次は生徒会長の挨拶です』




新学期恒例の全校集会。

どうしようもなく馬鹿でいい加減な高校である我が校が、どうしてきまじめに集会を開いているのか疑問は残る


まぁ、それは今は重要ではないので置いといて。



銀魂高校はとにかく人数が多い

私達3年生にいたってはZ組まであるから、全校集会となると広い体育館が生徒で埋め尽くされ、中々の迫力である


そんな中で話をするんだけど、緊張なんてしない

慣れたのもあるけど、それ以前に………



「会長ー!」

「お美しいですねー!」

「こっち向いてくださーい!!」





この学校には元から“緊張感”というものがかけている。





「静かにしてください?」


私がマイクに向かって言うと、騒いでいた生徒たちが静かになった

まったく…冷やかしも大概にしてほしいわ



「皆さん、おは…」

ガチャン!!



静かになったなか、挨拶を始めようとした時

並んでいる生徒達の一角で煙が上がった



「…あれはι」



まさかと思ったが、まさかだった


間違いなく煙が上がったのは3年Z組の辺り

私のクラスだった




「テメェ、何しやがんだ!!」


「総ちゃんが悪いもんね、ばーか!!」


「お前の事は何も言ってないだろーが!!」


「トシ先生の悪口言ったじゃんかー!!」




「…ι」



大声で叫んでる声からして、私のクラスの沖田君と隣のクラスの女の子だ

沖田君とその子はよく喧嘩してる。それは神楽ちゃんと張るくらいの頻度で。



このままだと被害が増えるだけなので、何とかしてやめさせないといけない

首を突っ込めば怪我は免れないですけど…まぁ、この距離なら大丈夫でしょ



「二人ともやめな…」

「「邪魔すんな!!」」


「!!」




大丈夫だと思った私が馬鹿でした


重いっきり二人のうわぐつが飛んで来て私の顔面に直撃した



「…っ」


やば…コンタクトが…っ



うわぐつのせいで、コンタクトがズレた

痛くて思わずしゃがみ込んだら、不覚にもコンタクトを落としてしまった

はぁ、ついてないなぁ



コンタクトを探そうとしていると誰かがステージの上に上がって来た

顔をあげるとぼんやりとしか見えないけど、銀八先生だと分かった

あ…なんかデジャヴ




「真奈美?大丈夫か?」


「大丈夫です。大丈夫ですから、こっちこないでください」


コンタクト踏まれる可能性あるので。



「泣いてんのか?おい、本当に…」


「大丈夫ですってば!」



しつこいですね、まったく

泣いてるのはコンタクトがズレたせいなんです!



私が来るなと言っているにも関わらず先生は私に近づく

聞こえないの?あー、沖田君達がうるさいから聞こえてないかもしれない



「あー、だから来ないでくださいコンタクトが…」


−−ピシッ












「…」


「…」




−−−−最悪だ。




私は無言でポケットから眼鏡を取り出してかけた

すっと立ち上がる私に先生は恐る恐る声をかけてくる



「えと…真奈美さん?ご、ごめんなさい…本当に………」


「…」



私は無言で先生をちらっと見てから、未だに騒いでいる生徒どもに重いっきり怒鳴った






私の邪魔しないで!!





(す、すみませんでした……)

(分かればいいです)






銀ちゃんが馬鹿っぽ(殴)


2011.11.27 執筆
2015.09.08 修正・投稿




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