ピピッピピッ…


「ん…」


いつもと変わらない目覚まし時計の音で目を覚ました

起きてベットを綺麗に整えて、部屋をでる


今日もいつもと変わらない一日がはじまる



新聞を取ってTVのニュースをつけて、エプロンをしてキッチンに立つ


『今日は朝から雨が…』


天気予報が言っている通り、外では雨の音がしている


「今日は電車かな…」


この雨の中歩きや自転車で行くより、満員電車に乗る方がいい



出来上がった朝食を食べて、学校に行く準備を始める

身支度を整えて鞄を持ち、さぁ出掛けようって時



ピーンポーン



「…」


チャイムがなった

物凄く嫌な予感がする…


でも、出ないわけにはいかないので…

しかたなく玄関の扉を開けた


「はーい…」

「おはよう 真奈美!」


−−パタン


予感があたった

何も言わずに扉を閉めた


「ちょ、無視!?ここ開けて真奈美ちゃーん!!」

「先生 黙ってください!近所迷惑ですッッ」



ドアをどんどん叩きながら喚いているのは、担任の坂田銀八。通称 銀さん。

なんの因縁か、高校の三年間私の担任はずっと先生だ

…ホント、何の因縁?


まぁ、それはおいとくとして…


近所迷惑な先生を玄関にいれてあげる

見ると白衣が微かに濡れていた

…雨だからね


「何かようですか?」

「雨だから迎えに来た」


さらっとそんな事を言われた

迎えってあれですか?

車とかで送ってくれるんですか?


「なんでわざわざ…」

「車の中で話す。行くぞ」


…まったく

強引なんだから先生は…


仕方なく先生の後について雨が降っている外に出た

よく考えたら先生、車の免許持ってないんじゃ…?


「はいはい。乗ってぇ」

「……」

「あ…おはようございます」


それはすぐに分かった

車に乗ると運転席には不機嫌そうな、土方先生が乗っていた

運転するのは銀八先生じゃないわけだ


「早く出せよ、多串くん」

「土方だッッ。大体なんで俺がッッ!!」


助手席に乗り込む銀八先生に、土方先生は口をこぼした


「満員電車に真奈美が乗って、痴漢にあったらどうすんだコノヤロー!!」


あ、なるほど

だから迎えに来たの…

でも土方先生に迷惑かけてるじゃないですか


「すみません、先生」

「いや。安藤は悪くない」


私が謝ると土方先生はそう言ってくれた

でも、迷惑かけてるのは確実


「銀八先生。私を痴漢するような男性はいないと思います。だから迎えに来なくていいです」

「いやいや!!なに言ってんの!?こんな可愛い真奈美を痴漢しない奴なんて!!!」


三年間、先生には事あるごとに『可愛い』だとか『綺麗』だとか言われてきた

やっぱり病院に行った方がいいんじゃないかと思う

眼科とか精神科とか…



「許してくれるなら俺が真奈美を痴漢…」

「犯罪です、先生」


そんな話をしてる間に、学校についた


「ありがとうございました」

「いや。今日の集会頑張れよ」

「はい」


土方先生と別れ、銀八先生と一緒に校舎へ向かう

この雨なのに先生が傘を持ってないなんて言うから、いれてあげるはめになった



「相合い傘だな〜」

「黙らないといれてあげませんよ」


なんて言いつつも、私が濡れないように傘をさしてくれている

その証拠に先生の肩が少し濡れている

そんなちょっとした優しさが嬉しかったり…





雨と先生と相合い




(別に嫌じゃないんです)








2011.10.03 執筆
2015.09.08 修正・投稿




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