バレンタイン突発企画

(2020ver.※不思議少女の楽曲のみ)
※新テニが始まらずに卒業式を待つ&手塚は三月ドイツ予定。リョーマもいる二月設定
※(キャラ名)はその話の視点人物

[list]

通例儀式


「えー……」

放課後呼び集めたメンバーを見回しながら、こほんっと大きく咳払いする。
なんやかんやあって、全員が集まるんは久し振りやなぁと感慨深くなった。
珍しいことに、俺の呼び掛けに素直に千歳まで来てくれたんやから、本当に感激やで。

「こうして集まるんはなんや久しぶりやけど」

確かに個人個人には廊下で顔合わせたりもしてるんやけどな。

「……なぁ、誰……?!」
「っ?!」

金ちゃんのポカンとした顔に嫌な予感はしていた。
またか、またこの流れなのか?!

「せやから〜ほらぁ、元……」
「元ボクサーの!」
「元副部長や!一文字もおうてへんやんか!!元副部長の小石川健二郎ですっ!!」

小春とユウジに盛大にツッコミすると、きひひっといたずらっ子のような笑顔で金ちゃんが俺の背中に張り付いてくる。

「……それでどないしたんや?」
「なんや急用か?!」

白石と謙也が何かあったのかと怪訝な顔をしていた。
そない急用ってわけでもないんやけども。

「夢野さんのことやねんけど」
「?!」
「ねーちゃんがどないしたん?」

謙也の顔色がパッと変わって、金ちゃんが後ろで首を傾げてる。

「あーあれね」
「……はぁ、マジであのアホ、全員招待する気やったんか」

千歳と財前の反応から、どうやら誰かから既に聞いていたらしい。
話は早いと、パッと懐から彼女から送られてきた手紙を取り出す。
メールでもメッセージアプリでも伝えられるというのに、わざわざ郵送してくる辺りが彼女らしいと思った。

「さ、誘われたんやな?!俺らも!!よっしゃっ、これで侑士のアホに永遠と自慢されんでも済むっ」
「ほう。わかったで。鉄が言うとった。バレンタインデーのパーティやな」

謙也の顔色が変わったんは、散々従兄弟の忍足くんに自慢されとったかららしい。
銀もどうやら弟の鉄くんから、話は聞いていたようだ。

「な、なんや。みんな情報早いな。……ケン坊、見せてもらってもええか」
「ええで。ほら」

白石と金ちゃん、ユウジに小春は事情を知らんかったのか、興味深げに手紙を覗いていた。

「……新幹線の切符までついとるけど……」
「……あの子、こんな無駄遣いする子やったかしら?」

ユウジと小春の驚いたような表情に俺も最初驚いたことを伝えた。
それから、跡部君から帰りは自家用セスナを飛ばしてやるぜと連絡来とるでと足して伝える。

バレンタインデーの用事は全くといってなかったので、俺は参加するつもりだとも伝えたら「詩織ちゃん、覚えとるかしら?」とか小春がまた失礼なことを言ってきたので、できる限りのツッコミをしたのだった。

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