「……どげんしたと?珍しかね」
「ざ、財前、熱か?!風邪でも引いたんちゃうか?!」
「……謙也さん、ウザいっすわ」
「なんで俺だけに言うねんっ?!」
金髪がチラチラ視界に入るだけでもウザい。
千歳先輩はもう俺には興味無くしたんか、トトロのぬいぐるみを笑顔で見つめてた。キモい。
とりあえず、視線を白石部長に戻す。
「……めんどいから参加せぇへん言うとったのに、なんや何があったんや?」
「余計な詮索はせんとってください」
それだけ言うて、部室から荷物を背負って出た。
ちょうど部室内では、ホモップルがいちゃつき始めたらしい。
扉を閉めたのに聞こえてくる喧騒に眉間にしわを寄せる。
「……パンダがおるんや」
昨日の夜、チャットでパンダが騒いでいたのだ。elevenさんと会えるかもしれない!と。
《善哉:……それ、ウチの学校も参加しますわ》
《パンダ:ナンダッテ》
その後顔文字でしか会話しなくなったパンダの相手は正直めんどくさかった。
……せやけど、これは逃したらあかん機会や。
楽しみやな、パンダ
(side 財前光)
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