01


 

 皆、それぞれの思いで授業を受けていた。

 ──真面目にノートをとっている者

 ──寝ている者

 ──驚異のスピードでノートをとり、顔を上げ先生の話を聞いている者

 ──同じく驚異のスピードでノートをとったが先生の話は聞かない者

 ──黒板の文字を解読するのに難儀する者

 そして──天才過ぎて屋上でサボっている者

 屋上は風が吹き抜けていた。

 その風は屋上でサボっている者の髪を綺麗になびかせていた。

 その姿は美しかった。

 そして、屋上でサボっている者は呟いた。

「そろそろかな」

 意味深に微笑みながら立ち上がり、ハクリューを出し「何時もの御願い」と爛々に言った。

 ピュ───────!!

 ハクリューの鳴き声が辺りを谺する。

 そして、1分たったかたたなかったかの内に屋上でサボっていた者の周りには大勢集まっていた。

「来たのね!」

 茶毛でストレートな髪の大人っぽい女が言う。

「丁度、息抜きしたいって思ってたんだよな!」

 黒髪で前髪が爆発した少し不良っぽい男が言う。

「とゆうか、またサボってたね」

 黒髪で何かを隠す様にヘアバンドを付けている男が言う。

「私も一度『サボる』を経験したいです」 

 綺麗な黒髪の普通の人とは少しずれた考えを持った女が言う。

「ここから北側に予想通り敵発見。直ちに排除せよ!」

 そして屋上でサボっていた美しい黒髪の少女が言う。

 そして、それが物語の始まりの合図だった。



そう始まりは常に突然に






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