02


 
 
 決まったみたいだね。さすがサファイア。

「あ、そうだ。サファイアお姉ちゃん泊まってかない?」

 ポンと手を合わせてへにゃりと笑うユミ。

 ……珍しい。ユミが会って間もない人を泊まりに誘うなんて。

「良い? お兄ちゃん」
「勿論」
「良かと? じゃあ、父ちゃんに言ってくると!!」

 と、言ってサファイアはまた窓から出ていった。

 ……玄関から出て行きなよ。

 ──と、いうか。

 視線を窓からユミに移す。

「部屋、どうするの?」
「前に住まわせてもらってた時のままだから。私の部屋で」
「……そう」
「何? サファイアさん、ルビーの部屋に泊まらせたかったの?」

 ニヤニヤ、と僕を見る。

 さっきまでコロコロ笑っていたユミなのか、本当に。

「まさか。それに、僕が良くてもあっちが断わるよ」
「それもそう、か」

 ユミは多分さっきの真っ赤になって怒鳴るサファイアを思い浮かべて肩をすくめる。

 沈黙。

 息苦しい時間が続く。はたして長かったか、短かったか。

「あり……がとう」
「何が?」

 お礼を言われる様な事したかな。

 僕は素直に首を傾げる。

「『妹』……、ってウソ。大切な、大好きな人にウソ、ついてもらって」 

 俯いて、表情を暗くするユミ。

 ──あぁ、そうゆう事。

「別にウソをついたつもりないよ。僕とユミは結構似てるし。君、たまに妹じゃないかって、思うし。
……妹って響き、好きだし」

 今のもウソは何一つついていない。

「ルビー……」
「だから気にしなくて──」


「あんた、妹萌え?」





to be continue...



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