「…ふぁ」


思わず欠伸が出る。それぐらい暇なのだ。
入学式の準備と言っても、周りにあのなんか幕みたいなものをはるくらいしか俺の仕事はなかった。でも何気に一番大変な仕事だと思う。部活並みに疲れた。訂正、部活の方が辛い。


「これ、いつおわんの?」

「さぁ。黙って帰っても気付かなそう」


確かに。もう帰ってしまおうか。部活に戻った方がこんなのより有意義だ。


「帰ろうか」


隣にいたやつに、そう言った。


「そうだな」


俺たちは、こっそり帰ろうと体育館の入り口に歩き出した。
そこで異変に気付く。なんだか、外が騒がしい…?
外に出てみると、そこには人だかりができていた。"そこ"は、俺がさっきまで練習をしていた場所。まさか、チームメイトになにかあったのか?


「ごめん、ちょっと通して」


人の間を縫って一番前に出る。そこには、思いがけない光景が広がっていた。


「…え」


セカンドチームの皆が、グラウンドに倒れていた。その真ん中には、一人の人物。その人物に、俺は見覚えがあった。


「…剣城?」





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