プロローグ
本部へと戻る基地の中、あの人が見えた。
「参謀総長だ…」
「またやってくれたらしいぜ」
「ああ、ドレスローザのことだろ?」
修練場で一人大暴れしているのが、船の上からでもよくわかった。彼の周りが炎に囲まれている。例の七武海の一人が治めていた国で手に入れた能力だそうだ。その国での一件ももはや世界中に報道され大騒ぎになっている。他の工作員も高揚して彼の噂話を続けていた。
「………………。」
岸に軍艦が到着し、碇を下ろす。後片付けを任せ、一足先に本部へと向かった。
また火柱が立つ。
それを遠い場所で起きているような気持ちで見上げた。
きっと、私はあんな高さへは届かないだろう。