2 | ナノ
 



勘違いと分かれば安堵よりも後悔に襲われた。
俺を無理に受け入れた所から鮮血混じりの精液が溢れてる。
よく見えねぇけど、絶対泣いてる。
勘違いでここまで傷付けた。
流石のこいつも、俺に嫌気が差したかもしんねぇ。
俺が終わらせたんだ。


「わかれたく、ねぇよ…」

か細く弱々しい声が鼓膜を震わした。
何でこんな俺の傍に居たがるんだよ。
勝手に勘違いして強姦紛いの事をした男だぞ?
でも、嘘じゃねぇんだろ。
それがお前の本心なんだろ。
自分勝手だけどな、俺もだ。
別れたくねぇ。別れてやらねぇ。



「あっあぁ、まさ、とぉっ」

こいつの、汰狼の声が心地好い。
もっと俺を求めろ。
もっと俺の事を考えろ。
俺だって、どうしようもねぇ程お前の事考えてんだよ。

「まさ、とっ、まさとっすき、すきっ、す、き…」

多分こいつは気付いてねぇんだろな。
いつもヤッてる時、馬鹿みたいに「好き」を言い続ける。
その度に心が満たされてく。
こんな奴に満たされるなんて俺はもう末期じゃねぇか。
仕方ねぇからこいつに責任取ってもらうしかねぇな。
汰狼、覚悟しろよ…?








事を終えて改めて考えたらこいつがちゃんと俺に賭けた事を言わなかったのが悪ぃんじゃねぇか。
俺は悪くねぇ。横暴とか言われても断じて俺が悪いなんて事はねぇ。
つか、こいつの事で知らねぇ事があんのが悔しい。
何も理解してない上に信じてやれなかった自分が腹立だしい。

「……お前の事で知らねぇ事があるなんて嫌だからな」

思わず本音が漏れてしまった。
あー、らしくねぇ事言っちまった。
胸元の顔が少し動いたのを感じて見下ろした。
黒髪の隙間から見えた耳が真っ赤だ。
まぁ……たまには良いか。
今日は特別だ。
滅多に言ってやらねぇ事も言ってやる。
だから、さっきまでの事は忘れろ。
忘れるぐらい、お前を満たしてやっから。



「お前はこれからも俺のもんだ。絶対俺を裏切るな。俺から離れるな。…俺だけを一生愛し続けろ」

勿論、俺もお前だけを一生愛し続けるから。





End.



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