ベッドで優の頭を撫でてると抱き着かれた。
優がセックス以外で抱き着くなんて滅多に無いから凄く嬉しい。
僕だって好きな子に抱き着かれたら嬉しいって素直に思うんだよ。悪い?
今日は良い事だらけだな。
まさか淫乱な優がお尻でオナニーした事なかったなんて。
僕が教えてあげたんだ。他の誰でもない僕が。
気分が良い。
それに優は僕に抱かれてるのを想像して自分で弄ってた。
たったそれだけの事が凄く嬉しかった。
まだ濡れてる髪を透くように優しく撫でたらふと青くなった痕が視界に入った。
さっきまでは前崎が付けたキスマーク。
今はもう僕が付けたキスマーク。
見た時は黒い感情が込み上げてきたけど今は優越感しか感じない。
優は本当に可愛い。
見た目は平凡だけど可愛い。
全てが愛しい。
そう思ってるのは僕だけじゃないから現に優は毎日誰かとヤッてる。
でもまさか前崎とほぼ毎日だなんて思わなかった。
ムカつく。
同じ部屋ってだけで…。
「優」
声を掛けたら目元を擦りながら締まりのない笑みを浮かべる。
この顔、凄く好き。
「なぁにー?」
「今日は僕の部屋に泊まらない?優の好きなもの作ってあげる」
「えっ!?蓮、料理出来るの!?」
………失礼だな。
これでも家事は出来る方だよ。
「何…僕の料理じゃ不満?」
そんなに驚いた反応されるなんて。
僕は優にどんな人間だと思われてんだろ。
何か苛々してきた。
「蓮…」
優が顔を覗き込んできても睨んでしまう。
すると眉を垂らして見つめてる優からキスしてくれた。
驚いて見つめてたら優の顔が赤く染まってく。
「あ、あのさ、その…蓮がご飯作ってくれて、泊めてくれるのが嬉しくて、あの、つい…」
この子は嘘が下手だ。
さっきの反応は確実に驚いてた反応だったのに。
僕の機嫌を取る為にキスまでして。
可愛い。もう優が可愛すぎる。
馬鹿な子程可愛いって本当だね。
「そんなに嬉しいならこれからも作ってあげるし泊まらせてあげる。今日は何が食べたい?」
「とんかつっ!」
今はもう嬉しそうに笑ってる。
優は直ぐ顔に出るから分かる。
本当に喜んでくれてるんだって。
こんなに喜んでくれるなら久し振りに本気で料理しよっかな。
優、今日は部屋に帰してあげない。
今日は僕以外とヤらせてあげない。
優が帰ってこなくて焦る前崎の姿を想像したら笑えてきた。
これぐらいは許してくれるでしょ?
お前は毎日のように優に触れるんだから。
可愛い可愛い大切な優。
甘やかしてあげるから、僕の傍から離れちゃ駄目だからね?
End.
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