Attack on Titan | ナノ


要らない愛情

「エレン、俺は、お前を、愛している」
もう何度めか分からない告白に溜め息。そんなにしつこくされても困るんです。
「……だから。俺はあなたを愛してません」
何回言ったら分かってくれるんですか。そう漏らすと、兵長も同じようにして
「何度言ったら分かる?俺はこんなにもお前を愛して止まないと言うのに」
はああ…っ、と自分を抱え瞳をキラキラとさせている様はどうしても人類最強と語られる男と結び付かない。いやむしろ同一人物だと思いたくない。


いつからか、兵長と二人きりになると必ずこうなる。いや、最初の方はもっとキャラを保っていただろうか。だんだんと頻度が増すにつれ、キャラ崩壊が激しくなり。それが今じゃこの状態だ。あぁもう……。俺にどうしろと。
「兵長、俺は普通に女が好きなんです。っていうか、例え兵長が女だったとしても、巨人がうじゃうじゃ蔓延ってるこの現状でそんな気にはなれません」
「じゃあ、なんだ。巨人を駆逐したらお前は俺と結ばれてもいいってことか?」
「ねぇもうお願いだから話聞いてくださいよッ!兵長ご自分の性別分かってらっしゃいます?分かってないですよね!あなた♀じゃないです、れっきとした♂なんですよ!」
肩をガッシリ掴んで揺すっても、尚兵長は平然と話を続けようとする。この人大丈夫か。いや、大丈夫ではないな。大分疲れてる……せいだと信じたい。
「エレン、今はな♂×♂もよくある話なんだぞ?そんな自ら視野を狭くしなくたっていいんだ。さあ、俺と愛し合おう」
「お願いだから諦めてください。俺はホモではないんです……ッ!」
土下座したっていい。俺を諦めてくれさえすれば。本当に切実な願いだった。こんなんならまだ、ミカサに付きまとわれている方が……いや、それはそれで辛いな。
「ん?もしや、『俺はホモじゃない…兵長だから好きなんだ』みたいなことか?」
目をキラーンとさせて呟く兵長。何言ってんですか…?!!
「え、ちょ、え……っ?!」
驚きすぎてパッとツッコミが出てこないじゃないか。
「エレン、そうならそうと初めから言ってくれれば良かったのに。何も恥ずかしがることはないんだ」
「兵長とんでもなく勘違いしてますよアンタぁああああああああああああ」
ぎゃあああああああああと叫び声を上げながらまるでストーカーを訴えるかのような身振りをする。っていうかもうストーカーに近いんだけどね!ああ、これは何で訴えたら罰してくれるんだろう……。
「お前、そんなツンデレだったのか……っ」
「なんでトゥンクしちゃってんですか!つーかどこにツンデレ要素見出だした?!アンタ馬鹿ですか!馬鹿なんですかぁああああ!!!!」
ゆっさゆっさと肩を揺するものの、全く動揺してない様子。
割りと真面目に困ってます。もう誰でもいいんです。誰でも良いので、助けてください。このままじゃ俺は兵長の素晴らしく重い愛によって殺されます。誰か……ッ!!!へるぷ!みぃいいいいいいいいいいい!!!!!!!




…あとがき…
10000打リクエスト消化作品です。思いっきりエレン弄りに走り、更にヤマなしオチなしというこの低クオリティ。リクエストして頂いた遥子様には本当に申し訳ないですm(_ _)m いつかちゃんと起承転結つけてエレンを苛めたいです。精進します。
一応遥子様のみお持ち帰りどうぞ……っ!


更新(27/09/09)





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