Kagero project | ナノ


多分、ね

  「あっ、あの…楯山、文乃って言います」
「仲良くしてやってくれ」
「ちょっと待て話が全く見えねぇ!!」
  えっとだな。話は数分前に戻る。
  ホントに数分前。急にアザミはアヤノとかいう美少女…じゃなかった、女を連れてきたん だ。なんの前触れもなく。
  女は無理矢理連れてこられた様子だが全くこの状況に驚く気配もなく、飄々ひょうひょう としていた。いやまあそれ自体不思議に思うんだが、そこではなくて、何故このアヤノという女はここに来れたんだ。アザミが連れてきた、とはいえアイツにも限度があるはずだ。
  俺とアザミしか存在しないこの世界はアザミが造り出した世界。
  ツキヒコが村人にボロボロにされた日。アザミの家に村人が押し入ってきた日。アザミは現実世界に絶望しこの世界を造り出し閉じ籠った。
  なぜか自我が存在する俺はアザミとこの世界に留まることにした。まあただの気紛れなんだがな。
  そしてこの世界は8月15日に死んだ者しか入ってこれない。これは絶対だ。だからどんな手を使おうとも、アザミが連れてきたとしても、8月15日に死んでいない者がここに来ることは不可能なのだ。
  もしかしてこの女はもう既に、?
「いやぁ、あの私ちょっと同級生の男の子と喧嘩しちゃってですね」
ふむふむ、喧嘩か。男ってことは痴話喧嘩とかか?
「その男の子が『お前なんて死んじまえ』とか言うものですから」
おいおい物騒だなその男の子とやら。
「ちょうど喧嘩していた場所が屋上だったので、柵ギリギリまで行って『飛び降りてやる』って言ったんです」
えっ、ちょ、そんな安易にそういうことは言っちゃ駄目だろ。それに柵ギリギリって危ないし。
「別にホントに飛び降りるつもりなんてなかったんですよ。でも私ちょっとおっちょこちょいというかなんというか」
おいおいそれでバランス崩したとか言うなよ。
「それでちょっとバランス崩しちゃって呆気なく私の人生終了です」
いやいやいやいやいやいやいやいや。笑顔で言うな。お前それで死んだんだろうが。
「そしたらアザミさんが、声かけてくださって、今ここにいるんです」
「ふぅん。なるほどな───…ってなるわけねぇだろババァごるあ!!」
「クロハ、乗り突っ込みを覚えたか……成長したな」
ふむ、と頷かれても困るんだが。
そんなお笑いをやってるわけじゃあるまいし。
「成長!クロハさんは漫才師目指してるんですか?」
「おいババァ!!なんか勘違いされてるだろうが!!ちゃんと俺のこと紹介したのか?!」
「あっ、忘れてた」
  ケロリとして言うが、じゃあお前はアヤノに何話したんだよ。この感じだと俺以外にもこの世界とか、アザミ自身についても説明してないんじゃねぇのか?
「いやなぁ、さっき会うまでクロハがいるの忘れててな。説明するの忘れてたんだ」
「アザミさんやこの世界については両親が調べていたのを見せてもらったことがあったので少し知ってたんですよ。アザミさん本人からも話を聞きましたしバッチリです。けど、クロハさんについては何も知らなかったのでどうしようかと……。話してくれてないと思ったらアザミさん忘れてたんですね」
ふふふ、と微笑む姿が美しい……じゃなくて、酷くねアザミ!!?!!俺泣くぞ?いじけるぞ?根に持つからな?!
「ほれほれそういじけるな。悪気は…多分ないから」
「悪気はないって言い切れよ!立ち直れねぇって!!」
俺が怒鳴るとアヤノはまあまあ、と間に入り、
「喧嘩は駄目ですよ。私みたいになりますから」
「お前が言うと現実味ありすぎるからやめろ!」
なんだ。この面子めんつ だと俺が突っ込まないとなのか。俺ツッコミ担当か。
  そうだとしたらボケ二人にツッコミ一人じゃ追い付かないんじゃないのか。
  あ、まあいいや。ババァはともかくアヤノを信じよう。そこまでボケじゃありませんように、っと。

  翌日。いや正確に言うと、さっきのいざこざから数時間後だが。
  昨日はアヤノをどうするか全く聞けなかった。
  一応経緯は分かったが、アヤノをこのままこの世界に留まらせるのか。はたまたアザミはアヤノという存在を消すのか。
  ああ、消すというのは、この世界に間違えて入ってきてしまったときの対処法としてあるものだ。本来ならば死んでいるのだから、存在が残ることはタブーとされている。存在として残ってしまった以上、ここに留まる以外には残る方法がない。しかしここに留まることもあまり勧めることはできない。この世界はアザミが閉じ籠るためだけに造り出した世界。完全な世界ではないため、俺のような蛇かアザミしかその存在を保つことができない。また外部からなんらかのアクションがあった場合真っ先に消えることになる。これ以上詳しくは俺も知らない。
  まず人がこの世界に入ってきたことがこれが初めてであり、俺が知ってる対処法もマニュアルのようなものだ。実際にどうなるかなんて分からねぇ。
「あーババァ、アヤノは残しとくのか?それとも「あぁ忘れてた」
……ッきしょう!!被せぎみに言うな忘れてたってなんだふざけんなよこのクソババア!!
「ああああの、そんな怒らないで……っ!!」
俺の顔を見て慌てて止めに入ろうとするアヤノ。
  あ、俺顔に出やすいんだっけか。今どんな顔してたんだろ。鬼の形相みたいな感じか。……じゃなくて!危ねぇ危ねぇ。話が脱線するところだった。(脱線済み)
「忘れてたってどういうことだよアザミ」
「あ!名前で呼んでくれたなクロハ!!ババァというのは何気に傷つくんだよ」
てめぇの心のうちなんか知るかボケ。はよ理由話せ。
「あぁ睨むなよお前顔怖いんだから。えっと、なんだっけ?あーアヤノを何で連れてきたかだったな」
……このババァ大丈夫だろうか。もう色々と。
「あの、私死んだって話しましたよね?」
アヤノがアザミに話をさせて大丈夫か、と心配になったのか口を開いた。俺としても助かる。この小娘の方が絶対に分かりやすい。
「あぁ、その話は聞いた」
「えっと、それで私死んだ直後に黒い大きな蛇に食べられたんです」
この世界に来る象徴のようなものだったよな。確かアザミの話によれば。
「で。目を覚ましたらアザミさんが目の前にいて、この世界やらなんやらについて説明をしてもらいつつクロハさんのとこまで連れてこられたんです。なので真意とかは分かりませんけど経緯はこんな感じですよ」
「なるほどなぁ。ババァなんで連れてきたんだ?」
「あぁ……またババァ、と……」
うっせえババァだな。尺取りすぎなんだよ。
「アザミ、なんでここへ連れてきた?」
「えっとだなぁ!!」
俺がアザミ、と呼んだ瞬間ババァは鼻息荒く目はキラキラしだした。やる気を出してくれるのが嫌というわけではないが、若干イラッとくる。
「こいつ死にかたが不憫すぎるだろ?」
「あぁ、まあな」
「それで蛇の力使ったら生き返れるだろ?」
「うんお前随分馬鹿だな?!」
  確かに蛇の力を総動員させればアヤノくらい生き返すことは可能だ。しかし、死にかたが不憫だからと簡単に生き返したりしたら他の死者はどうなるのだ。たまたまここへ来てしまったアヤノだけ生き返らせ、その他多くの死者は放置するのか。それはとても不公平であり、かつ俺はそんなことのために蛇の力を使いたくない。
「なっ、なんでだ!!」
「あっ、あのその私が死んだのはただの自分のドジですから!良いんですよ!!」
「やめてくれ切ない!」
  アヤノの仲介も仲介だがアザミもアザミだ。アザミの気持ちが分からないと言うわけではないが。はあ、っとため息をつき問題のアザミの方を見ると、なんかしてやりたい!、と顔に書いてあった。
  ──ハイハイそうですか。
  これでは後々俺にもなんか降りかかってきそうだしな。
「生き返らせるのは無理だ」
アザミは見るからにガクッ、と肩を落とす。
アヤノも心なしか残念そうにしているように見えた。
「けど、」
「「けど?」」
「お前に同情してないわけじゃないんだ。だから、1つだけ願いを叶えてやるよ」
俺が言い終わるか終わらないかぐらいに二人して歓喜の声をあげた。
「ほ、本当かクロハ!!お前も人間らしさがあるんだな!」
「クロハさん良いんですか?!私がドジしただけなのに!!」
「うっせぇババァ。俺はそんなに冷めてねぇの。気にすんなアヤノ。ちょっとしたプレゼントだとでも思え」
本当はアヤノの外見に惑わされたとか口が裂けても言えない。
「んで?何が良い?」
アヤノは首を傾げて悩み始めた。今までの様子を見ている限り私利私欲は薄い方なのだろう。他人の幸福は自分の幸福みたいな顔してるもんな。ん?どんな顔だそれ。
数分経ってからアヤノはポン、と手を叩き言い放った。
「シンタローと仲直りさせてください!」
「「?」」
  誰だその二次オタコミュ障でも顔はイケメン☆みたいな名前の奴は。そんな野郎のために蛇の力とか使いたけないけど?使いたくありませんけど?
「あ、あの私が死ぬ前まで喧嘩してた男の子です。シンタローって言うんですけど……」
「あぁ、なるほどな」
アザミはふんふん、と無駄に納得した模様。
「喧嘩したままお別れ、じゃお互いスッキリしませんし。それに、最後に彼に会いたいんですよ」
  な、なんだよその恋愛フラグは。回収するぞ?へし折るぞ?
  まあでも言ってしまったからには嫌でも叶える他ないんだよな。しょうがない。自分の言動には責任を持つ、てのは男として当然のことだし。なによりアヤノに口先だけ、って思われるのは勘弁だ。
「まぁ、それでも構わないが……どれだけ時間が必要だ?」
「えっと……そんなに時間は要らない、です。ちょっとでいいですホントに」
ホントにこいつは欲がねぇな。
「1日くらいなら大丈夫だが?」
「あっいえいえ数分で構いませんから!」
「数分じゃ足りねぇだろ?最後くらい」
アザミも見兼ねたのか口を挟む。
「そうだぞアヤノ。こいつが良いって言ってんだから!」
「いえいえここに来たときにお世話になりましたし、これ以上迷惑をかけるわけにはいきませんよ」
  困ったようにアヤノは笑う。好意は嬉しいがこれだけは譲れない、と言うかのように。
  そしてアヤノは最後に付け足した。それはもう寂しそうな笑顔で。
「あまり長く彼といたら、別れるのが辛くなっちゃいますから」

  シンタローとやらに会う前にアヤノが休息を取る、と木陰で寝ていたから俺はアザミに聞いてみた。
「なあアザミ」
「なんだ?」
アザミはきょとん、と首を傾げる。
「あぁいやアヤノのことなんだが」
「ん、なんだ?」
「いや、やっぱりアヤノ、シンタローとか言うやつと付き合ってたのか?」
「あの様子じゃただの友達とは考えにくいな。……ほほぅクロハ、さてはアヤノに惚れたか?」
  ババァは意地の悪い顔で俺に聞いてくる。ニヤニヤしてんじゃねえよ気色悪ぃ。
「んなんじゃねぇよ」
「ふぅん?そうか?ま、アヤノ相手じゃ無理だろ。どの道アヤノがここに留まることは難しいしな」
「んなこと分かってるっての。じゃ、俺も休んでくるわ」
  ババァに背を向けて日当たりの良い草原まで歩く。ここからだと木陰で休んでいるアヤノも見えるしな。絶景だ。……なんで俺こんなにストーカーチックなんだ。普通に危ない奴じゃねぇか。
  ま、とにかく一眠りするかな。このあとアヤノのために一仕事するんだ。今のうちに休もう。あんな軽く願いを叶えると言ってみたが、願いを叶えるのに結構な体力を使う。精神的にも疲れるんだよ、これ。
  アヤノのために一仕事してやるのは良いんだが、でもなんかなぁ。シンタローと仲直り、か。後味悪ぃのは分かるがあんま俺としては喜ばしくないんだよな。死んじまえ、なんて言う奴だしきっと酷い奴なんだろうなぁ。第一またアヤノと会わせるのが不安だ。数分だし少し会話して終わりなのは目に見えてるが。
  あ"ーもうなんなんだ俺は。別にアヤノなんかどーでもいいじゃねーかよ!さっさと願い叶えておしまいだ!
──さてはアヤノに惚れたか?
  ああああああ!!!うっせぇババァ!!
  バッ、と起き上がるがババァの姿が有るわけでもなく。
  ただの空耳だったようだ。アザミが変なこと言うからだよな。別に好きとかじゃねぇし。惚れるとかねぇし。まずなんで俺がこんなアイツのために悶々としてんだ。なんか苛つくな。
  はあっとため息をつき、再び寝転がろうとしたところだった。不意に地鳴りのような、轟音ごうおん がどこからか聞こえてきた。共に空が黒く染まって行く。嫌な予感しかしない。
「……なんだ、これ」
  周りを見渡してみるとアヤノは目を覚ましたばっかりのようできょとんとしていた。ババァの顔は今まで見たことのないくらいに青白く、焦っていた。どういうことだ。全く理解できない。
  急いでババァの元へ駆けつけるが、ババァはまるで上の空。どうしたんだ本当に。
  アヤノも状況が呑み込めずにおどおどしてる。
「こりゃあどういうことだアザミ!!今何が起きてる?!」
「アアアアザミさんっし、しっかりしてください!!」
俺が華奢な肩を掴み揺するとアザミは
「た、大変だ……この世界が、け、ケンジロウ、に……見つかっ、たかもしれん……!!」
「はぁ?ケンジロウ…、って誰?だよ」
「け、ケンジロウってお、お父さん…いやまさかそんなわけ…」
「なんだアヤノ?お前なんか知ってるのか?!」
「あっ、あの私のお父さんの名前がケンジロウ、なんです。そっそれでお父さんこの世界のこと、研究していたから……あの、」
ごもごもと喋るアヤノに被せぎみにアザミは声を張り上げる。
「お前の父親だったのか?!」
「た、多分…」
  アザミの話によると、ケンジロウとやらは妻と一緒にこの世界の研究をしていた。しかしケンジロウは研究を進めるうちにアザミを知り、様々な能力を持つ蛇を知った。そして俺の知らないところでアザミとケンジロウは1度会っていた。ケンジロウがなんらかの方法でこちらへ来ることに成功したらしい。その時らしい。問題が起きたのは。
「ケンジロウがどうやら私に一目惚れをしたらしくてな」
真顔でそんなこと言われても。ていうかそれケンジロウとやらは不倫になりかねないよな。
  そして驚きの余りアヤノは何故か俺に蹴りを入れてきた。すね蹴られた。痛い。弁慶の泣き所。痛い。
涙目でアザミに続きを促すと、
「それでケンジロウを勢いで元の世界へ戻したんだが。その後ずっとアイツここに来ようとしててだな」
「そ、それで遂に来てしまった、ってことですよね?」
「でもなんでこんな、」
「恐らく調和が乱れたんだろう」
  まあ元々不安定な世界であり、アヤノが来てしまっただけでも異常。それに加えてケンジロウが無理矢理入ってきたのならこの世界は元の姿を保てなくても当然だった。つまり遅かれ早かれこの世界は滅びる、ということか。
「俺たちはこの世界が無くなってもまた世界を造れば良いんだが……アヤノは、」
「あっ、あの私どうなるんですか……っ?」
「このままでは消えてしまうな」
さらりと飛んでもないことを言いやがったな。
「方法は、ないのか?」
「お前が代わりになってやればケンジロウと元の世界へ返すことはできる」
  アザミは俺の目を真っ直ぐに見つめそう答えた。
  そうか。その方法があったか。俺がアヤノの命として、生きればいいだけの話だ。簡単だな。
「でっ、でもっ、それクロハさん嫌がってましたよね?いいですよ私一回死んでますし。ここにもいちゃいけない存在なんですからね!」
  アヤノはそう言って無理に笑顔を作ろうとする。けれどその笑顔は作り笑顔でしかなくて、消える、ということが怖いんだろうと伺えた。
  そうだよな。怖いよな。消えるってのは。
俺も人の代わりの命になるなんて初めてだからさ。
怖いんだよな。ちょっと。男の癖に意気地無しだよな。
「気にすんな。俺が居れば大丈夫だ」
「プッ…クロハが……っかっこつけて…っくっお腹痛い……」
「おいこらてめぇ雰囲気ぶち壊してんじゃねぇよ?!今俺いい感じにかっこよかっただろ?!!」
「自分で言っちゃってる……っちょ、も、やめっ」
  完全にツボにハマったらしくお腹を押さえて爆笑してる。なんなんだこのババァ。イラッとくるな。
「あの、本当に良いんですか?私なんかのために……!」
  ほらぁアヤノ必死なんだからアザミ笑うなよなぁ。アザミはもうちょっと空気を読むことを勉強した方が良い。絶対に。
「良いんだ良いんだ」
「(一目惚れしただけの癖に)」
アザミが耳元で余計なことを言いやがる。ついつい反論するが。
「あーもうっ!んなわけねぇだろうが!!」
「?!ど、どうしたんですかっ?やっぱり嫌ですよね。そうですよね。私なんかのためにっ!!」
  見事に勘違いしたアヤノは涙目であわあわしてる。おいこらババァのせいだぞ……ってまた笑ってるし。
もうすぐ世界が終わるってのになにやってんだか。
「ほらアヤノ、手貸せ」
「……え?」
「もうそろそろ時間だからな。お前を元の世界に戻す」
  さっきまで笑っていたアザミも真剣な顔で頷く。
  俺とアザミの顔を順に見つめ、アヤノは恐る恐る俺の手を握った。
「じゃあな、クロハ」
「あぁ、アザミ。また新しく世界造ってそこでのんびり暮らしてろよな」
「アザミさんごめんなさい。クロハさん、お借りしますね」
  申し訳なさそうに微笑むアヤノ。
  おう、と男らしく返事をするアザミ。
  この3人でわいわいすることはもう無いが、涙ぐむほどの別れではない。俺は軽く深呼吸をし、アヤノと繋ぐ手に力を込めた。
「さ、行くぞ。アヤノ」
「ハイ」
  快い返事を聞いた瞬間俺とアヤノは眩しいくらいの光に包み込まれた。あぁ、本当にアヤノの命になるんだなぁとぼんやり思いながら。
  でもなかなか良い終わりじゃないか。人を助けて消えるなんてな。しかもそれがアヤノ、とは。
  あぁ、本当に良い子だったよな。アヤノ。俺はやっぱりアザミの言う通り、アヤノに惚れてたのかもしれない。最後に好き、くらい言えばよかったか。
  まあいいや。俺、もうアヤノとずっと一緒なんだしな。でももしかしたら聞こえるだろうか。
声になったかも分からないが、最後に伝えておこう。

──短い間だったけどありがとう

──あとは頑張れよ。じゃあな

──それと多分お前のこと、好きだった


……あとがき……
奈梨様のみお持ち帰り可能です。
遅くなり大変申し訳ございません。
私信

[+bookmark | back to top ]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -