剣巴
るろ剣‖悲恋
:
いつまで経っても消えない傷。頬という目立つ場所なだけに、もう目印代わりにされている。緋色の長髪に頬の十字傷、と。
いつだか別の怪我で診て貰ったときに、医者に言われた。
「これはこの傷を付けた人の想いが晴れなければ消えることはない。医学的に治せるようなものではない」
清里と巴。二人の怨念が晴れることなんて一生ない。二人の人生を奪ってしまった罪、幸せを奪ってしまった罪。清里と巴だけじゃない。俺が斬った全ての人の恨み。ないほどの罪の象徴。
むしろ、消えてはいけないのだ。俺が一時も忘れないようにと刻まれているのは、間違いじゃない。俺が、罪の償い方を見つけて、きちんとその罪が償えるまで、この傷はこのままでいい。
一時は死んで詫びることも考えた。でもそれで本当に今まで俺が殺めた人たちは救われるのだろうか。清里や巴は笑ってくれるだろうか。
とてもじゃないけど、そうは思えなかった。俺なら『死』なんていうもので、償われたくない。時間をかけて、自分なりの答えを出して欲しい。

書きたい(白目)そして題名は「十字傷」とか、カッコつけてみたい。
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