おっかぐ in DQ3!


*初出:きらら☆blog*おっかぐinどらくえ3!

*@で切ったblog掲載分に加筆してます



→中断したところから始める

「あ、この人、将来賢者を目指してるみたいです。ちょっと声かけてみますね」
「賢者ってーと、回復も攻撃も任せろ的な?」
「あ……はい。序盤は回復がどうしても不可欠ですし、魔法よりも打撃で攻めきれる敵が多いので、魔法使いよりは僧侶から探したかったんですよね」
「スゲーな、アルス。勇者っぽいじゃん。俺も神楽も頭はてんで弱ェからなァ。頭脳的なことはお前と僧侶に任せっから」
「カミングアウト早すぎアル、総悟! アルスがドン引きしてるネ」

 こうして、アルスが選んだ僧侶・きららちゃんをパーティーに迎え。私たち4人──勇者アルス一行の旅が始まったのだった。
 え? きららちゃんがどんな娘かって? 確かに喧しくはないんだけど、時折ブラックな毒を吐く、絶対敵には回したくないタイプとだけ言っておこうか。
 総悟が苦手意識を持つくらいには、口では勝てない頭の回転の速さ。アルスに言わせると、さすが賢者を目指すだけあるとのこと。
 ――心配はしてなかったけど、これで総悟が浮気することもないか。きららちゃんも全く総悟の顔の良さには反応してなかったし。

「……神楽ァ」
「都合いい時だけ名前で呼ぶなヨ」
「傷ついた心を慰めてくれねェ?」
「知らないアル。自業自得ダロ。勝手に傷ついてろヨ!」
「そんなこと言わずに、そこの宿屋にでも(一発ヤらせろ)……」
「きららちゃーん。またセクハラ発言してるバカがいるアル!」
「うふふ。そんなに苛められたいのかしら? あなたドSなんでしょう? いつからドMになったの? っていうか、同じこと繰り返してよく飽きないわね。よっぽど頭が足りないのね。だから賢さの数値が上がらないのよ。力が強けりゃいいってもんじゃなくてよ? 戦士の割に素早さが速いのだって、武闘家の神楽ちゃんに比べたら亀より遅いんだから」

 ダラダラ冷や汗を流す総悟を見れるというのも、楽しくて仕方ない。果たして、元の世界に戻れるのかは謎だけど。

「元の世界に? そうね……多分、だけど。魔王さえ倒してしまえば戻れるんじゃないかしら。勇者であるアルスに必要な存在として、貴方たちが召喚されたと考えれば、目的が果たされれば戻れるというのが自然だわ」
「ふぉ〜さすがきららちゃんアル! ごっさ説得力があるネ!」

 素直に褒めてみると、それまで冷静で顔色一つ変わらなそうに見えたきららちゃんの頬が、少しだけ赤く染まったのが分かった。

「きららちゃん、照れてるアルか? 可愛いとこもあるみたいで安心したアル」
「か、可愛いって!」
「総悟も普段はポーカーフェイスで何考えてるか分かんないって思われがちだから、同類かと思ったのヨ。ま、総悟は可愛いっていうかただのアホだけどナ」

 私をジッと見ていたきららちゃんだったが、次の瞬間、ボソリと総悟の方を向いて呟いた。

「アレと同類とかあり得ないんですけど」
「――き、きららさん!? もしかして俺のことスンゲー嫌い?」
「嫌い、というか。生理的に受け付けないタイプね」

 哀れ、総悟は石化。……こいつ、確かに私以外の女なんて眼中にはないけど、これまでの人生モテ街道まっしぐらだったからなぁ。女の子にここまで否定されたの初めてだろうし。ドSは打たれ弱いから、ガラスの剣とやらもへし折れてしまったんだろう。――ま、いいや。自業自得だから慰めも必要ないだろう。まあ、でも、フォローぐらいはしとくか。

「きららちゃん、一応こいつの名誉のために言っておくけど。セクハラ発言は私限定だから、誰にでもこんなんだったら私もつき合わないと思うし」
「……まあ、どっちにしても彼自体どうでもいいのに代わりはないけど」

 私以外にもセクハラ発言してるようなヤツなら抹殺されてたかもしんない。うん、多分そうだ。

「あの〜そろそろ出発したいんですけど、えっと……お話終わりましたか?」

 申し訳なさそうなアルスの声で、私たちはようやく長話をしていたことに気づく。

「ごめんごめん、アルス! 待たせちゃったアルナ。総悟は引き摺っていけば問題ないから大丈夫ネ。さ、出発進行〜!!」
「は、はい……えぇ〜総悟さん、本当に大丈夫なんですか?」

 大丈夫、大丈夫!
 ほっといても復活して、またセクハラ発言かますようなヤツだから。

「アルス……取り敢えず、パーティーメンバーは慎重に選べよ」
「オマエがそれを言うか!」
「ぐわっ! 股間は蹴んなっ!!」


______中断しますか?

→はい

*パーティー選びは慎重に*



@の続き、きららちゃん登場の辺りを掘り下げて、総悟を弄り倒しました(笑)
スンゲー哀れ…ヘタレってか、ただのアホ剣士?( ̄▽ ̄;)
一気にupなんで、Bもいきますよ〜♪
次は勇者アルスくん視点です!

'11/10/19 up * '12/07/16 reprint

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