おっかぐ in DQ3!


*初出:きらら☆blog*おっかぐinどらくえ3!

*かなーり長すぎたので、blog掲載時より手前で一旦区切ってます。ご了承下さい(笑)


「──ちょっ、なっ、えっ? ここ、何処アルかーっ!?」

 これって、中世、っていうんだっけか。何か、そんな空気が漂う。
 持っていた傘はいつの間にかなくなってるし。一種にバトルを繰り広げていたはずの相手──総悟はいなくなってるし。
 不思議な光に包まれたと思った次の瞬間。気づけば、私は見知らぬ土地に移動していたらしい。土地、というか。何だか世界も違う気がするのだが、どういうことだコレ。

「すいませーん、かぐらさんいますかー?」
「……へっ!? ハイ、私ですけどーって何のコスプレアルか、コレ!!」
「あ、武闘家のかぐらさん、勇者アルスさんがお呼びですのでお願いしますねー」
「はぁーっ!? 勇者って、何アルかコレーっ!!」

 始終叫びっぱなしだが、察して欲しい。とにかく、訳が分からない。武闘家、って言ったか……私のことを。やっと気づいたが、いつものチャイナ服は着ておらず、それに似た感じの拳法着っぽいモノに変わっていたのだ。頭はいつものお団子(ぼんぼり髪飾り付き)のままだったが。

「あの、すみません……僕、これから魔王討伐に向かう旅に出るための仲間を探していたんですが。もしかして、ご迷惑だったでしょうか?」

 1人でバタバタしていると、気の弱そうな少年がこちらを見てオドオドしているのに気づいた。

「魔王って……オマエが私を仲間に誘ったアルか?」
「は、はいっ。ここはルイーダの酒場で、初めて冒険に出る時は、ここで仲間を集めなさいと言われていたんです」

 少年──アルス(勇者?)の言っていることは、本当のことらしい。ルイーダの酒場? ここで冒険に出る仲間を探して、ってことは。じゃあ、この少年が魔王とやらを倒しに行くってことなのか。

「私、どうやらこの世界の住人じゃないっぽいんだけど。それでもいいアルか? 確かに腕には自信があるネ! 魔王でも何でも、とにかくぶっ倒せばいいんだよナ?」
「この世界の住人じゃないって……。えっ、それって! かぐらさんの方こそ、大丈夫なんですか!?」
「んー。多分目的果たせば帰れそうな気がするネ! だから、ひとまずはその魔王とやらを倒せばいいはずアル。あ、私のことは神楽、って呼んでくれていいからナ!」
「え、でも……一応僕よりは年上のようですし。神楽さん、でいいでしょうか?」

 勇者、ってこんな腰の低いモンなのか。随分と頼りないというか。

「オマエはアルス、っていうアルか?」
「は、はいっ。勇者って言っても、父がそうだっただけで。僕はまだ見習いみたいなモノなんです。色々学びながら旅をしていけたらと思っていまして……」

 話を聞いてみたら、色々と大変な身の上らしいことが分かった。アルスの父がオルテガという偉大な英雄だったばかりに、息子にまで期待が掛けられて。幼少の頃から修行めいたものを繰り返し、ついには魔王討伐に行かされるとは。

「……オマエも大変アルナ」
「いいえ。父のことは、誇りに思っているんです。だから、その父に一歩でも近づけるのであれば、今までの修行やこれからの旅も苦にはならないと思ってるんです!」
「アルスは真っ直ぐに育ったのネ。きっとマミーに大事にされてきたアルナ〜」

 私も、宇宙最強と謳われる父を持ち、誇りに思わない訳ではないが。こんなにも真っ直ぐに、素直に父のことを讃えられそうにはない。

「あの、神楽さんの他に、戦士と僧侶を加えて4人パーティーを組みたいと思ってるんですが……」

 仲間探しは、まだ始まったばかりのようだ。ひとまず、まだ非力なアルスには強い男が加われば安心だろうと。戦士のリストを眺める。

「ん……? そうご!?」
「神楽さんの、知ってる人ですか?」
「や、知ってるというか……知り合いの名前と同じっていうか」
「じゃあ、彼にしましょう! すみません、戦士そうごさんを呼んでもらえますか?」
「えぇっ!? ちょっ、アルス行動早すぎネ!」

 まさかとは思ったが。ああ、やっぱりそう来たか、とも思ったが。

「あり? チャイナじゃねーか。どうなってんだ、コレ?」

 総悟の方も、いつもの黒づくめな制服ではなく。恐らく、この世界の戦士と呼ばれる職種の格好なのだろう、軽めの鎧に身を包んでいた。

「うわ。菊一文字も変わっちまってら。何だ、この安っぽい刀……あ、刀じゃなくて剣かァ?」
「何でオマエはそんなに順応性高いアルか! ちっとは慌てるとか取り乱すとかないのかヨ!!」
「んー。取り敢えず、チャイナいるし。1人よりはマシじゃね? 相棒が刀じゃねェのも不満はあっけど、まあ剣なら使えなくはないし。お前の方こそ仕込み傘なくても大丈夫な訳?」

 こいつが動じている姿は想像もつかないが、それにしても落ち着きすぎだ、コラ。

「私なら、拳と蹴りがあれば問題ないアル。この世界の武闘家は爪をつけたりするみたいだけどナ」
「へー。……ところで。コッチのちんまいのが勇者サマってヤツ?」

 突然話題が転換し、アルスがビクッと跳ね上がっている。

「あの、えっと、あなたは……」
「アルス。こんなのクソサドでいいアル。ただのドSだからほっとくヨロシ」
「てんめー……いたいけな少年に何適当なこと吹き込んでんでィ」
「だってホントのことアル」

 テンポの速い私たちの会話に着いて来れないのか、アルスは目を白黒させている。

「あー。悪ぃな、置いてけぼりにしちまって。コイツ相手だといつもこうなっちまうんで。で、アルスだっけ?」
「は、はいっ!」
「俺のことは沖田……いや、総悟、でいいか。こいつはバカ女でいいけどな」
「黙れ、サド!」

 スネに一発蹴りを打ち込み。睨みつけてやるも、総悟は涼しい顔をしてアルスと普通に会話を始めやがった……!

「ちなみに。こんなんだけど、コイツ俺の女なんでィ。全くツンデレにも程があんだろ?」
「ぬわーっっ!! おまっ、ソレは言わなくてもいい情報アル!」
「……あ、いえ。隠さなくてもそうなのかな〜とは思ってました。絶妙のコンビネーションですし」

 恐るべし勇者……! 観察眼はあるようだ、こんな若いクセして。

「よし、分かってんなら話は早い。つーことで、宿屋に泊まる時はコイツと相部屋で頼むわ。なるべく声は漏れねーように頑張るから」
「うがぁっ!! 黙って聞いてれば何つーこと吹き込んでるネ!? アルス、いいから女の子の僧侶を仲間にするアル! コイツの思い通りになんかしてたらコッチの躯が保たないのヨ!!」

 僧侶のリストを広げ必死に選び出す私を見ながら、舌打ちをする総悟を、横目で睨みつけてやる。
 魔王討伐なんて大層なことしてる最中に、この絶倫ドS野郎の欲求満たすなんて。本気で身体がいくつあっても足りないってもんだ。

「僧侶は……物静かな人がいいなぁ」

 アルスの呟きが聞こえてきたが、聞こえないフリをする。悪かったな、2人で喧しくて! でも、私もこれ以上賑やかな人間はいらないと思う。アルスはツッコミ担当にはなれなさそうだから、パーティー崩壊もしかねないし。


______中断しますか?

→はい

*旅立ちはアリアハンから*




blogからサルベージシリーズ(?)連続第2弾です♪どんどんいきますよー!!
もうすぐDQ10発売なんですっけ?私のDQは8で終わったので(笑)Wiiは持ってるけど買う気はないんです〜。
これをblogに投稿した時は、とにかく戦士な総悟くんと武闘家神楽ちゃんがいるパーティーを作りたくて楽しんでまして、日々がおっかぐDQ3祭りでしたf(^_^;)
脳内おっかぐの設定は、既に夫婦みたいなノリで息の合った恋人同士。細かい設定は次以降に出ますが、一応歳を重ねて新米勇者くんをサポート出来るくらいにはなってもらいました!…結果的に引っ掻き回してるけどな!( ´△`)
@はblog掲載まんまで修正なしですが、途中で切ってるのでAに回してそちらは加筆しました♪
今はDQ3プレイは終了してるんで、思い出しながら追加妄想に励みますよ〜(´∀`)b


'11/10/19 up * '12/07/16 reprint

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