※shortの『エコにご協力下さい』のその後です
「っぎゃー!! また光ったー!」
「おー、すげー光ったなァ」
「なんっでオマエはそんなに冷静アルか! こんな……嵐で大雨でしかも停電なのにっ!!」
「いやー。こういう時に動揺しまくって、キャーキャー騒ぐ男もどうかと思うぜ?」
「うっ。それもそうアルナ」
「だろィ? それより、ほれ。そんな怖いんなら、もっとくっついていいから」
「えっ……いい、アルか?」
「何だよ。今日は随分消極的なんだなァ? 釣った魚には餌やらねェタイプかよ?」
「な、何ヨ。ソレどういう意味ネ?」
「んー? エコ作戦で俺のこと、散々誘惑してくれやがったじゃねーか。誘惑の甲斐あって俺という彼氏をゲットしたんだろィ?」
「誰に説明してるアルか! ──まあ、否定出来ないけどナ」
「うん。だからさ、俺にだってチャイナという餌くれたってよくねーか、って話をしてんでさァ」
「わ、私が餌アルか?」
「そう。もうちょい肉欲しいトコだが、まあ今のままでも十分旨そうだし」
「……肉って、胸のことアルかー!?」
「分かってんじゃん。でも安心しろ。すぐサイズアップしてやっから」
「せ、セクハラ反対ぃー!!」
「あり? 何離れてんだよ。何も今から揉むたァ言っちゃいねーだろうが」
「騙されないアル! オマエのその手つきは既にヤル気満々じゃねーかヨ!!」
「ちっ」
「舌打ちしやがったー!! カノジョが怖がってる時ぐらい紳士的になれねーのかヨ、このエロ魔神!」
「わーったよ。ほれ、戻って来なァ。……ったく。震えてんじゃねーか。やっぱエロ話で誤魔化しても怖さにゃ勝てねェってか?」
「っ!! ──わざと、だったアルナ。エロ魔神とか言ってゴメンアル……」
「いいっていいって。それに俺がエロいのはホントだしなァ」
「──ねぇ。ギュッ、てしてヨ」
「んー? こう、かよ?」
「もっと!」
「お前なー、俺の理性試してんのかよ?」
「どーせなら、怖いの分かんなくなるくらいエロいことしてみろヨ」
「はぁっ!? 怖すぎて脳みそ溶けちまったんじゃねーだろうな、てめー」
「ふーん? いざとなったら怖じ気づくアルか。このヘタレー」
「ヘタレでも何でもいいっての! いくら俺でもこんな時にエロいことなんざ出来る訳ねェ……」
「ホント?」
「待て待て待て。お前、何処に手ェやってんでィ!?」
「だって、さっきからお腹の辺りに硬いの当たってたネ。我慢は身体によくないダロ?」
「〜〜〜〜いいから黙って抱きついてろ! 雷だけでも止まったら遠慮なく突っ込んでやっから覚悟しろよ。散々煽りやがってコノヤロー……」
「ぷぷー。はいアル〜♪」
「──ねみィ」
「あら、沖田さん。夕べは大変だったみたいね? 神楽ちゃんを一晩中抱きしめてくれてたって、聞きましたよ」
「あー姐さん……。またあいつに何か入れ知恵でもしやしたか?」
「まあ、人聞きの悪いこと言わないで下さる? あなたにしてみれば役得ですもの。損はないでしょう?」
「役得、っつーより生殺しみてーな? ったく、並みの男なら拷問みたいなモンですぜ?」
「ふふふ。あなたなら、神楽ちゃんの嫌がることは出来やしないって分かっていたもの。まあ、停電までしちゃったのは予定外だったんですけどね」
「あのアパート、家賃は安いけど古いもんだから、電気系統が弱いんでさァ。雷が鳴りまくる日は、大概停電してるかもしんねー……」
「それじゃあ、電気代節約どころじゃないわねぇ」
「ついでに言うなら、一緒に風呂入ってる場合でもねェですぜ?」
「あらあら。神楽ちゃんったら、本当に一緒に入っちゃったのね!? 思い切り冗談だったのだけど」
「あいつ、姐さんに言われたことなら何でもやりかねませんって。あまり変なこと吹き込まねェでくれやすかィ?」
「──あれぇ? 総悟……と、姐御? 2人が話してんの、珍しいアルナ」
「共通の話題ってんなら、お前の話に決まってんだろーが。……ったく脳天気な面しやがって」
「私の話──って昨日のことアルか!?」
「それもあるが、エコの話もついでに、だな」
「もう、神楽ちゃんったら……本当にお風呂に一緒に入っちゃうだなんて、大胆なんだから」
「ああああああれはぁー! 総悟だって汗かいてんのに私だけ先に入っちゃうのも悪いと思って……って何言わせるアルかー!!」
「いやいや。てめーが勝手に言い出したんだろーが。頼むから、あんまりバラさんでくれや。こっちもさすがに恥ずかしいっての」
「あらあらまあまあ。2人とも仲がいいのね、ホントに。──どうせそのお風呂で、もう一回戦おっ始めたとか言うんでしょう? 何せエロ魔神ですもの」
「あ、姐御? 何か背後に背負ってるネ!(般若みたいなのを)何か怖いのがいるアル〜!!」
「ねぇ、沖田さん? そのうち出来ちゃった☆なんて神楽ちゃんが言い出すんじゃないでしょうね? そうなったら、あなたもゴリラにやるみたいに本気で殺るわよ?」
「──全力で避妊させていただきます!!!!」
「そ、総悟? 何か汗だくだけど、大丈夫アルか!? しかも顔色悪っ!」
「ふふふふふふふふふ……」