*エコにご協力下さい*
※3Z設定だけど、アパートのお隣さん(2人共1人暮らし)というシチュエーションで
隣に住むアルアルチャイナ娘は、俺の通っている学校でも隣の席。何処まで行っても腐れ縁な俺たちは、顔を合わせるとバトルになることが多い。
黙っていれば、実はかなり可愛い部類に入ることに気づいたのはつい最近のこと。
名前を神楽(名字は知らねぇ)という彼女とは、学校にいる時よりはアパートにいる時の方が友好的な関係なんじゃないかと思う。それは、彼女が意図的になのかは分からないが……色んな理由をつけては俺の部屋をよく訪れるせいもある。
そのことにも、最近になって何となく気づいた。
「ねぇ、サドー。味噌切れてるみたいヨ? ウチの残ってるの半分あげるから、今度新しいの私に買うヨロシ」
「おめー、そんなん俺が損するだけじゃねーか。……あ、今日の味噌汁の具って何?」
「ワカメとネギと豆腐アル〜。この前、美味しいって言ってたダロ?」
「あー。そういや、旨かったなアレ。あ、ネギ多めで頼むわ。田舎の姉さんから結構な量、送られて来たんでさァ」
何だか、気づけばチャイナの奴が俺んちのキッチンに立って2人分の夕食を作ってたりもする。
アレ。これって友好的、通り越してんじゃね?
「それじゃ、味噌取ってくるから。サド、ちょっと鍋見てろヨ!」
「お、おぅ」
──待て待て。今、ちょっと一瞬、いやコンマ一秒くらい、恋人同士っぽくね? とか思ったよな、俺。でも、相手はあのチャイナだぞ。確かに可愛いのは認めてやってもいいが、暴飲暴食、ついでに暴力、口を開けば毒舌全開、言ったら殴られるが胸なんか真っ平らに近い(ない訳ではない)。顔を除けば、女として見る要素なんて……。
「あぁっ、このボケ! 鍋見てろって言ったダロ!? 吹き零れてんじゃねーかヨ〜」
あ、ヤベ。うっかり考え事に耽ってる間に、チャイナの奴が戻ってきていたらしい。右手に味噌、左手は俺んちのお玉。さっきはしていなかったエプロンがオプションで……って! エプロンだけかよっ!?
「ちょっ、待て、オイ! 何つーカッコしてんでィ!?」
「はぁ? 何、ってキャミにショーパンで、エプロンつけただけアル」
「──え、下、着てんの?」
膝近くまであるチェックのエプロンをペロリと捲ると、真っ白な、チャイナの健康的な太股。細すぎず、程よく筋肉のついた、美味しそうな太股がチラリ。
──マジでヤバい。あろうことか、俺の身体の一部分が反応しやがったー!
「コレだからお前は中二アル。まさか裸エプロンだとでも思ったアルか? やーらーしー」
変な節をつけながら蔑むような目で俺を見るクソチャイナ。ムカつく、コイツいつも通りに殴ってやろうか!
「んなこと言ったってなァ。大体さっきまで、そんな格好してなかったじゃねーかよ。何でィ、お前誘ってんの?」
「──っ!!」
苦し紛れに問いかけてみれば、何故だかチャイナは真っ赤になってお玉を置き、ガスコンロの火を止めてしまった。──ちょうど完成したのか、いい匂いが漂ってくる。お、腹減ってきやがった。
「あ、暑かったからアル」
「……はァ?」
「エアコンにはまだ早いから、エコ対策ネ。文句あっか、コノヤロー!」
「エコ対策〜?」
何だそりゃ。確かに暑くなってきたが、夕方になって気持ち涼しく感じてきたし。俺なんか、いつも通りのTシャツにジーンズだっての。
「そういや、オメー前にもエコとか言ってたよな? あァ、それこそ飯も2人で作って食えば食費と光熱費が浮くとか何とか……」
「そうネ! 私はエコに凝ってるアル。だからサドも協力しろヨ」
何か、エコと違う気もしないでもないが。まぁ、いい、のか?
「よしっ。これで一歩前進アル!」
「ん? 何か言ったか?」
「何でもないアルヨ〜」
「そうか……?」
(姐御の言った通りだったアル! 間違いなく意識しまくってたネ!)
(まあ。よかったわね、神楽ちゃん)
(次は何で攻めればいいアルか!?)
(そうね。水が勿体ないから、ってお風呂も一緒にとかどうかしら?)
(そ、それはさすがにハードル高すぎアル〜!!)