*clap_log*




*冬の日*


1.冷たくなった指先を温めて
2.雪に口付けて
3.寄り添いながらの口付け
4.一緒にコーヒーを飲もう
5.その手の温もりを唇で感じたい


title thanks⇒ *5つのキスのお題*



※原作/恋人設定…のつもり。
1.冷たくなった指先を温めて


「はぁ〜。さっむいアル!!」
「寒い寒い言ってたら、更に寒くなるだけだろィ」
「うぅ……それは分かってるネ。でも言わずにいれない寒さダロ!?」
「確かになァ……異常気象だかなんだか知らねェが、夏はクソ暑いわ冬はマジ寒ィ。こうなったら、旦那から天気に喧嘩でも売ってもらうしかねーな」
「それはいい考えアル。銀ちゃんなら異常気象の一つや二つ、取っ払ってくれそうネ!」
「……まさかお前、マジで言ってんじゃねーだろうな?」
「マジもマジ。大真面目アル。兎は寒いと死んじゃうのヨ。死活問題ネ」
「いや、ソレ淋しいと死んじゃうの間違いだろ?」
「こまかいことは気にしなーい」
「寒さでボケにもキレがねェぞ、チャイナ」
「大きなお世話アル。いっつも自分ばっかボケ倒せると思ってたら、大間違いヨ。たまには私にもボケさせるヨロシ」
「――マジで震えてんじゃん。どれ、どんだけ冷たくなってんでィ?」
「うひゃっ!? 背中に手ぇ突っ込むとか、逆にこっちが冷たいわ、ボケー!!」
「はァ、あったけェ」
「体温、2度は下がったアル! どうしてくれるネ、コノヤロー。うぅ……手袋忘れたから、指先まで冷えてきたアルぅ」
「しょうがねーなァ、ホラ」
「!?」
「手袋は俺も忘れたが、てめーの手よりゃ温いだろ」
「な、何か生ぬるいアル」
「そこは暖かい、って言うところじゃねーのかよ」
「――だ、だって。いっつも手なんか繋ぎたがらないクセに、こんな時ばっかズルいネ」
「ふーん。神楽さんは、普段からこうしたかったんですねー?」
「わ、悪いかヨ!? やっぱりオマエはどうしようもないクソドSアル!!」
「改まって肯定されんのも何か照れるな、おい」
「……そーご、耳まで赤いアル。ってか、手もさっきより熱くなってるネ」
「やべェ。俺の彼女は最強ツンデレ」
「大丈夫アルか、総悟。寒すぎて幻覚見えるのかヨ?」
「いや、チャイナのデレを食らって萌え補給。(指先に、ちゅっ)」
「――ふぉあっ!?!?!? な、な、な、何しとんねーん!!」
「何で怪しい関西弁なんでィ。あんまりチャイナが可愛いから、御礼に冷たい指先を温めようと思っただけですけどー?」
「だ、だからって指先にちゅーするとか!! ドコの王子様キャラアルか!?」
「サディスティック星の王子様、って前に言われたなァ、そういや」



2.雪に口付けて

「――信じらんない。真顔で指先にちゅーとかっっ」
「まだソレ言ってんのかよ。だったら、もう手繋ぐの止めやしょうか?」
「ソレとコレとは別問題アル。むしろ、寒いから繋いでた方が暖を取れるネ!」
「素直じゃねーなァ。やっぱ、立て続けにデレは来ないか」
「うーるーさーいー……って、あれ? 雪、降ってきたネ!」
「あー、本当だ。どおりで寒ィはずだ」
「寒いけど、これくらいの雪ならキレイでロマンチックアル〜」
「まさかチャイナの口からロマンチックとか出てくるとは……」
「何、そのリアクション。何で驚愕の表情なのヨ!?」
「頼むから、雪を団子にして食うとか止めてくれよ?」
「オマエは1回くたばらないと気が済まないアルナ!? よーし、歯ぁ食いしばれ?」
「嘘。ごめん。冗談が過ぎました」
「分かればいいネ、分かれば。――あ、でも。降りたての雪にちゅーすると、ふわってなって冷たい綿菓子みたいだったヨ?」
「……チャイナ」
「な、何アルか?」
「この後、ファミレスでも行くか。いや、バイキングにするか?」
「何で憐れみの顔になってんだヨ。可哀想なモノ見る眼を止めるヨロシ!!」



3.寄り添いながらの口付け

「いや、だってなァ……自分の彼女がそこまで卑しくなってんのを目の当たりにしたら、誰でも奢りたくもならァ」
「別に、お腹空いて雪食べた訳じゃないアル。オマエが私のことどう思ってるか、よーく分かったアル」
「何でィ。拗ねてんの? その割に、手だけは繋いだままなんだな。そんなに離したくない?」
「……だって。次、いつこうやって繋げるか分かんないもん」
「ふーん。そんなに、こうしたかった?」
「そーごは、嫌アルか?」
「ばーか。嫌だったら、とっくに手なんか離してるっての」
「ほ、ホントに!? じゃあ、また繋いでくれる?」
「そうだなァ、たまになら」
「ドケチ」
「……たまにだから有り難みも増すんじゃねーの?」
「むぅ。ソレもそうアルナ」
「それに、男としちゃー手繋ぐってのは、どうも照れくせェっていうか」
「もっとエロいこと、平気でしてくるクセに?」
「人前とは別物だっつーの」
「しょーがないアルナ。じゃあ、2回に1回で譲歩しとくネ」
「うわぁ。それ、全然"たまに"じゃねーじゃん」
「うるさいネ。近づくな、とか触るなとか言われんのとどっちがいいアルか?」
「近藤さんじゃん、ソレ……」
「私は、ちゃんと総悟のこと大好きアル。だからギュッてしたいし、ちゅーだってしたいし、こうしてくっついていたいのヨ。総悟だってそうでしょ?」
「やべェ……デレ爆弾威力デカすぎだろ、ソレ反則。(手を繋いだまま、ギュッと抱き寄せる)」
「そーご、」
「しーっ。眼ェ閉じて」
「んっ……」
「……ちゅっ」
「人前、照れくさいって言ってたのに。嘘つきアルナ」
「てめーがあんまり可愛いこと言うからだろうが」
「私のせいにすんなヨ」


4.一緒にコーヒーを飲もう

「顔中真っ赤にしてそれを言われてもなァ。こっちは嬉しいやらニヤつくやら」
「キモい。ウザい」
「ハイハイ。照れ隠しだよなァ? ほんっと可愛いんだから、俺の嫁」
「誰が嫁アルか!?」
「ん? お前に決まってんじゃん」
「開き直んなヨ!! ――あぁっ。さっきから叫んでばっかで喉渇いてきたネ。何か貢げ、下僕」
「ひでェな、おい。こっちは嫁つってんのに、旦那様に対して下僕とかマジ有り得ねー」
「……えっとー。私、温かい飲み物がいいな♪あ、ココアとか〜」
「聴けや、コラ」
「そ・う・ご?」
「しゃーねェな、コーヒー無糖で買ってやらァ」
「はぁっ!? 何アルか、その仕打ち!!」
「どれどれ〜。お、ブラック無糖はっけーん」
「クソドSぅ!!」
「まずは俺が一口……」
「しかも自分で飲むのかヨ!?」
「チャイナ――」
「な、に……っ!?(ぶちゅーっと一発口移し。)」
「はァ、甘ったりーわコレ」
「げほっ! ば、バカッ。飲ませるなら普通に……って、あれ? これ、砂糖もミルクも入ってるアルか?」
「ぴんぽーん。カフェオレにしようかと思ったが、あいにくその自販機に売ってなかったんでさァ」
「……も、も1回」
「へっ?」
「だからっ。一瞬でよく分かんなかったから、もう1回飲ませるヨロシ!!」
「何でィ。足りなかった? いいぜ、1回と言わず、残り全部」
「望むところアル!」


5.その手の温もりを唇で感じたい

「そーご、ちょっと、待つネ」
「何でィ? めっちゃ盛り上がってきてんだから止めんなよ」
「止める訳じゃないけど……えっと、場所変えたいっていうか」
「よーし。ラブホ行くか」
「真っ昼間から隊服着たまま連れ込む気かヨ。さすがに自重しろ」
「ちっ。せっかくチャイナがその気になったのになァ」
「その気、の意味が違うアル。年中発情期のオマエと一緒にすんなヨ」
「へいへい」
「……じゃなくって! もう1回、ちゃんと手をギュッて握ってもいいアルか?」
「ハッ? 手? 別にいいけど……(ぎゅーっっっ)イッテーよ!!」
「あ、力入りすぎちゃったネ。ごめんアル」
「ったく……。もう、冷たくねェじゃん? 大分温まったなァ」
「うん。でも、」
「んー?」
「口唇の方は、まだ足りないアル」
「ほー? 今日の神楽ちゃんは随分積極的だなァ?」
「こんな女はキライ?」
「まーさか。大歓迎、でさァ」
「ふふっ。ちゃーんと、温めてヨ?」
「雪が溶けちまうくれェ、激しいのをお見舞いしてやらァ」




もう夏ですね。梅雨ですね。あはは。今頃、な冬のお題でした!そういや、沖神サイトではお題を借りての話は初でしたっけ…?

'14/01/11 up * '14/06/20 reprint


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