目を覚ますと、誰かの肩の上であった。
私名無しは、28の誕生日を迎えたばかりの平凡なOL。独身である。
彼氏は居たことはあったが、殆んどが自然消滅。どうせ別れるし、人付き合いが苦手で面倒だからと、最近は恋愛に興味は皆無である。
同期のみんなは、婚活に大忙し。可愛がっていた後輩もこの間、寿退社したばかり。両親からも、この歳になって男の気配がない私を心配している。
そこで高校からの親友から、良い機会とばかりに無理矢理合コンに参加させられた。
面倒くさいから行きたくなかったが、男性陣が奢ってくれるらしかったので、仕方なく参加した。
結果をいうと、案外楽しかった。男性陣も気さくな方ばかりで、コミュ障の私も楽しめた。それは、かなりお酒に強く、普段酔わない私が酔っ払うくらいに。
酔うとはいってもほろ酔い位だったが、それでも珍しい位である。
合コンもお開きになり、ベロンベロンの親友を家に送ろうとするが、親友が狙っていた男が送るというので、親友をその男に任せ、家路についた。
家に着き、着替えもせずにベッドに突っ伏した。多分、日頃の疲れがお酒を飲んで酔っ払ったせいで出てきたのだろう。
いつの間にか眠っていた。
朦朧とした意識の中で、この時間に寝て仕事に影響してはダメだと思い無理矢理意識を覚醒させた。
そこで冒頭に戻る。
?「おっ、目が覚めたか。」
『……うぎゃゃぁぁぁぁぁ????』
?「っ??ちょっ、いきなり耳元で叫ばないでよ。」
そりゃ叫ぶよ。目が覚めたら、顔の4分の三を隠した顔が、どアップで顔の前にあったんだから。
『離して下さい??変態??不審者??』
?「ちょっ、酷くない?俺不審者じゃないんだけど。」
不審者だよ??どう見ても不審者だよ??
?「だから俺、不審者じゃないってば。」
あれ?声に出てた?まさか読心術??
?「顔に書いてあるよ。俺の名前は、はたけカカシ。不審者じゃなくて木の葉の忍だよ。」
………はたけ、カカシ?木の葉?忍?
どこかで聞き覚えがあるような。
ははっ、まさかね。
カ(仮)「ところで、どーして君みたいな子供がこんな山奥に一人でいるのかな?近くに町や村は無いよネ?」
は?山奥?
よくよく周りを見てみると、確かにはたけカカシ(仮)が言うように、木が沢山生えている。
『…さぁ、分かりません。ここどこですか?』
カ(仮)「ここは火の国、国境近くの山の中だよ。」
……NARUTOかよぉぉぉ??
カ「君、自分の家がどこにあるか分かる?」
『……分かりません。』
カ「う〜ん、仕方がない。子供を一人でこんな山中に残しておく訳にはいかないし、一緒に木の葉に行こう。」
そう言ってはたけカカシは、木々の間を物凄いスピードで駆け抜けていった。
カ「そー言えば、君の名前聞いてもいい?」
『…名無しです。』
カ「そっ、名無しくんね。これからヨロシク。」
これから面倒くさそうだなと考えながら、落ちまいとカカシの肩に掴まった。
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