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※女の子達が腐ってる
※ヒロインもオタクで腐ってる





『そっ、そうだよ…好きなんだよお前のこと!俺だって素直になる時くらいあるんだよ!』

「っぎゃぁぁぁあ!もうやだ萌え禿げるツンデレ最高!」


画面の中からそう語りかけて来る茶髪のイケメンさんに私は発狂。やっぱり私の選択肢は間違ってなかった。あのとき選んだのが校舎裏でよかった。もうこの声優さんの声も大好きだし。


「わあ…やったね、ハッピーエンド!」

「やったよしえみ!もうこのゲームをクリアするのにどれだけ色んなことをググったことか!」


ググってググってググりまくった。本当は攻略本を買おうとしたんだけど最近同人誌買い占めちゃってお財布に余裕がないんだよね。まあでもこの乙ゲーのシリーズ全部買えたからいいんだけど。エンディングが流れるなか、しえみと喜びを噛み締めるように抱き合う。うん、しえみにも色々手伝ってもらったからな。


「でも、やっぱり私は乙ゲーよりもBLゲームのほうがすきだなあ…」

「しえみは百パーセント腐女子だもんね。あと出雲と朴ちゃんも。私は半分オタクで半分腐女子だけど」

「あー、そうだったね!」

「うん、まあBLも好きだよ。ああ、もうどうして二次元だとあんなに美しく尚且つ可愛らしく男の子同士が絡めるのか。全く、三次元の男子も見習ってほしい」


ごほん。しえみと熱くBLについて語っていたら咳ばらいが聞こえた。前を向くと額に青筋を浮かべて仁王立ちしている雪男先生の姿があって、私の手に持つゲーム機を奪い取った。


「ああ!何をするんですか雪男先生!」

「それはこっちの台詞です。貴女は授業中に何をやってるんですか。それにしえみさんまで…」

「雪ちゃんは黙ってて!BLの良さが分からない人は口出ししないで欲しいの!」

「?、なあ雪男ー、びーえる?ってなんだ?」

「奥村くんはまだ知らなくていいんですよ。ああ、あとそこで不思議そうに首をかしげてる勝呂くんも。志摩くんと三輪くんも教えちゃダメですよ」

「「キタコレ!!!」」

「しえみ!今の聞いた!?あれって独占欲だよね!?何も知らない燐と竜士にナニを教えるつもりなんだよ!ああもう鬼畜眼鏡万歳!」

「雪燐はともかく雪勝かあ…なんだか新境地開いちゃったね!これはいいネタになりそう!」

「………ちょっとアンタ達、黙って聞いてればいい加減にしなさいよ!」


バンッと机を叩きがたりと大きな音をたてて立ち上がった出雲に視線がいく。雪男先生はまともな人がいた…と感動していた。…が。


「アイツには志摩がいるのよ!雪勝なんて邪道よ!百歩譲っても勝燐か志摩燐だわ!」

「ええ、わかってましたよ、ここの塾生の女子生徒に期待してはいけないと。僕はわかってましたよ」

「なあ、雪男ー、なんでアイツら俺らの名前繋げて叫んでるんだ?新しい遊びか?」

「だから兄さんは知らなくていいんだよ!ついでにまた首をかしげてる勝呂くんもね!」

「でも出雲ちゃん!そんな王道ばかりじゃありきたりな物語ばっかりになって面白みが無くなっちゃうと私は思うんだけど!」

「う…っ」

「まあまあ、二人とも落ち着きたまえ。燐は右固定、これでいいじゃないか!」

「右固定…?利き腕の話か…?」

「そ、そうだよね!燐はどう見たって受け顔だもんね!」

「えっ、ウケ顔…?俺ってそんなウケる顔してたの…?」

「神父さん…僕…もう疲れたよ…」





腐女子×口論



 
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