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※夢主が病んでる/切甘/微グロ

















私は燐のことが大好きで大好きで大好きで堪らない。でも燐はきっとしえみが好きなんだろう。だけどしえみは雪男のことが好き。私たちははそれぞれ一方通行の想いを抱いている。

ねぇ、燐、こんなに好きなのになんでわかってくれないの?しえみを殺せば私を見てくれる?しえみは燐のことなんて見てないんだよ?私はこんなに燐のことを見ているのに。

燐。燐。燐燐燐燐燐燐燐燐燐燐燐燐燐燐燐燐、燐、燐。

燐、大好きだよ。通じ合うことはないだろうけど、私は燐のことを死にたいくらい大好きで殺したいくらい愛してるんだよ。
なんでわかってくれないの。


『燐が私のモノにならないなら…いっそ死んでしまおうか』


死にたいくらいに大好きなんだもん。死因は自殺じゃなくて恋煩いだ。なんて美しく醜い死因なんだろうか。だが最愛の人を想って死ねるならそれはそれで幸せだ。

あとはこのカッターを思いっ切りぶっ刺して引くだけだ。それだけで私は幸せな死を手に入れれる。
カッターを刺しぷつりと血が流れ床に一粒の血の雫が落ちたときだった。怒号が響いたのは。


「なにやってんだ!!」


燐だった。燐は私のところまで駆け寄ってきて腕に刺していたカッターを抜き放り投げた。
ああ、神様はどこまでも意地悪だ。なんで燐なの。他の人なら死ぬのに、燐だったら死ねないじゃないか。


「お前死にたいのか!?なんでこんなこと…っ」

『燐のせいだよ』


ぽたぽたと床に血が滴る。
そんな中、燐は目を見開いていた。きっと私の言葉に驚いたんだろう。そりゃあそうだ。誰だって自分のせいで相手が自殺しようとしたと言われれば、固まるだろう。


「俺の、せい…?」

『そう。私ね、生きているのが辛いの。燐が好きすぎて』

「なんだよ、それ…っ」

『でも、燐はしえみが好きなんだよね。だからね、燐やしえみを殺しそうになる前に私が愛する人のために死ぬの』


そうすれば全て上手くいくでしょ?と笑って首を傾げて見れば、燐は私を強く抱きしめた。
なんでそんなことするの?燐はしえみのことが好きなんでしょ?ダメだよ抱きしめたりなんかしちゃ。私、馬鹿だから…っ


『期待、しちゃうよ…!』

「名前の馬鹿野郎…っ。なんで俺に最初からそれを言わねぇんだよ!」

『え、?』


見上げれば今にも泣きそうな表情をしている燐の顔が見えた。
私は頭がよく働かないから燐がなにを言いたいのかわからなかった。


「俺だって名前が好きだ」

『え…、』


燐の言葉に、目から涙が零れた。燐はなんて言った?私が好きって…、そんな、燐はしえみが好きだったんじゃないの…?


「こんな苦しめてるならさっさと言ってやればよかった」

『燐、り、ん、燐、燐燐燐燐』

「名前、好きだ、愛してる。だから、死ぬなんて言うなよ」


私、嫉妬深いし独占欲強いししえみみたいに可愛くないし、それでもいいの?と言えば、燐は強く頷いて当たり前だろ、と言ってくれた。

なんだか、


 

遠回りして、馬鹿みたい



 
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