恋しいわけじゃない
現パロ(ロキグレっぽい?)

〈G視点〉

頬を撫でる風が冷たく感じる季節になってきた
何故かこの季節は安心する。寒い方が自分にあってる気がするのだ
ヒラヒラと舞い落ちるイチョウの葉を目で追っていくとその向こうで佇む人物に目が吸い寄せられた
こちらから見ると逆光になるため表情はわからないが恐らくハニーブラウンと思われる髪が陽の光にあたりキラキラと輝いて見えた
その綺麗な横顔から目を離せないでいると不意にその顔がこちらを向いた
目があった気がするが、如何せん逆光の為よくわからない

「ロキー!お待たせ」

静寂の中に響いた声に時が動き出す。
どうやら自分は緊張していたらしい。身体から力が抜けるのがわかった
あとから来たのは彼女なのか仲良さげに腕を絡めて向こう側に歩いていってしまった

ほんの30秒か、いや10秒も経っていないかもしれない
そんな一瞬の出来事だった

「ロキ・・・」

先ほどの人物の名前なのだろう。口の中で反復すると口端が上がるのが自分でもわかる
図書館で借りてきた本の重たさを急に感じて抱え直すと先ほどの彼が歩いていった方向とは逆方向に歩き出した
きっと近いうちにまた会える
そんななんの確証も無い不確実な事なのにそう思えるのは何故だろうか



『出会い』


出会ったのは必然なのか偶然なのか
君に会えてよかった
今はそう思える

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2013.3. RIU.

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