リレー小説
FTサイト管理人四人によるリレー小説

11

瞬きをするものの明け方の光をバックにしているため顔がよく見えない
ただ、キラキラと光る金髪の髪、身体も自分よりは遥かに大きいのがわかる
すぐに覚醒しない耳に野太い声が届いてきた

「何をしてると聞いてるんだ!!」

「あ・・・」

近寄った影を見上げると部屋に満たされてきた光により先ほどよりははっきりと顔を見分けることができた
その顔には右目を縦断するかの如く稲妻型の傷跡がある
たしか、コイツは・・・

「ラクサス?」

声を出してその名を呟いてから頬が引きつるのが自分でもわかった
地元ではこの名を知らないものは居ないほどの有名人なのだ
たった一人で30人の不良を相手にして勝利しただとか、タイマン張った相手グループのTOPをたった3秒でノックダウンさせたとか
実は腕がスチールで出来てるだとか、顔の傷痕からビームが出るだとか
とにかく、地元の不良の中からも恐れられている存在である
あっちの世界では顔を知っているだけで係わりあいになったことは無かった
その彼が目の前に居て、見るからに機嫌が悪い。

「おい、俺のベッドで寝るなんて・・・」

言葉尻が消えその無骨な顔の口端が上がった
何を思ったのかその影がゆっくりと近づいてきたのだ
思わず身構えると両肩をがっしりと掴まれ、唇が塞がれた
呆然とする目に映るのはたぶん自分の知ってるラクサスじゃないっていうのは頭の片隅では認識しているものの地元で名を馳せているあのラクサスと瓜二つの顔に背筋に嫌な汗が流れる
そんなパニック状態の頭の中で唇にあたる暖かさにふと我に返るとやっと自分がキスされていることに気が付いた
慌ててそのカラダを押し返し、唇が一瞬離れたがまたすぐに塞がれた

「ん〜〜!!」

思いっきり相手を突っぱねてみようと心掛けるがその鋼のようなカラダはまったくびくともしない
それどころか突っぱねていた両手をとられたかと思うとそのままベッドに押し倒された
唇は解放されたものの両手首は頭上で一纏めにされ押さえつけられる恰好になってしまった

「やっやめろよっ!!」

「誘ってるのはお前だろう?・・・グレイ」

近寄ってきた顔は首筋におとされ、ねっとりとした生暖かい感触に身震いする
着ていたシャツの裾を捲られ無骨な手が脇腹を撫でる
素肌をまさぐられる感覚に思わず目を瞑るとあの日、悲しそうに歪められたロキの顔が浮かんできた

(そんな顔をさせるつもりじゃなかった。ただ迷っていたんだ。優しいあの手を取っていいのかどうか・・・)

カラダ中を這いまわる手が胸の頂きを執拗に捏ねくりまわされ現実逃避しようとした思考が引き戻された
指で摘まみあげられその刺激にビクリとカラダが跳ねる

「・・・・・っ、んっ」

思わず漏れた声に気をよくしたのか更に執拗に胸の頂きを攻めてくる
甘く痺れるような感覚に腰の奥が疼きだした
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2012.11.07 RIU.

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