リレー小説
FTサイト管理人四人によるリレー小説

07

「ふむ・・・どういった経緯で二人が入れ違ったのか・・・」

エルザが剣を納めると独り言のように呟きながら、グレイを頭からつま先まで眺めまわす
グレイはその視線に戦きながらも自身を奮い立たせエルザを直視する

「そ・そんなんわかんねーよ。気付いたらこっちの世界に居たんだ」

「なぁ、お前の世界のエルザもこんなんなのか?」

突拍子もないことを言い出すナツに思わず固まるが『さすがに剣は持ってないけど、同じようなもんだ』などと返すと身の毛もよだつような視線を感じた
そう、まさしく鳥肌がたつような視線である
これ以上、この話をやめにすべく目を彷徨わすと視界の端に見知った姿を観止めた

「あ、ロキ先輩?」

そう、橙色の髪をした柔和な笑みを浮かべる彼が居たのだ。

「「ロキ先輩?」」

思わず声が揃うエルザとナツ。ロキに先輩などという言葉を付ける習慣など無いのは周知の事実である。
しかし、目の前の漆黒の彼はこの世界の住人では無いので当て嵌まらないのだろう
思わず「しまった」といった顔をしたグレイに疑問符を浮かべながら近づいてくる獅子宮のレオことロキ

「グレイ、どうしたの?」

「・・・いや、なんでもねーよ」

頬に朱の入ったグレイは何を思ったのか思い切りよく起ちあがったと同時に椅子が背後に倒れその音に一瞬、ビックリする
更に赤さが増すと脱兎の如く駆けだしてギルドの扉から出て行ってしまった

「なんだぁ??」

「ん、ロキ、お前グレイに何かしたのか?」

近くに来たロキに問いただすエルザの視線がきついのは言うまでも無い
グレイに声を掛けようとして逃げられるように去られたロキとしても呆然自失である

「な・・・にもしてないけど?何かしたかなぁ?」

つい最近、グレイとは特にこれといった諍いごとは無かったはずだと思いながら引き攣った笑みを浮かべるロキ。
それを不貞腐れたように見つめるナツ
腕を組み考え事をするエルザ

思いがけず外に出てしまったグレイは物思いに耽るようにマグノリアの石畳を歩いていた

『この世界は一体・・・所謂パラレルワールドというやつなのか?』

いまいち、現実味の無いながらも受け止めるしかないのか
いや、なんとか自分の世界への道を探さなくては・・・
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2012.09.24 RIU.

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