※そうしてられるのは今だけ、ですよ(月田/かずさんリク/裏)






ひゅう、と、田中さんの吐く息の音。
それと、窓の外から聞こえる車の音と、衣擦れの音。僕に跨がる田中さんのあたたかさと重み。
今、僕にわかるのはそれくらいのものだった。

「月島……」
「はい」
「見える、か?」
「いえ、何も」
「わかった」

首筋に濡れた感触。多分、キスだ。
多分、というのは、僕の目には今ネクタイが巻かれていて、何も見えない状態になっていることが理由になる。

「ん……ぁ…」

田中さんの苦しそうな荒い呼吸、と、小さな喘ぎ声。

「田中さん?」
「ん、なんだよ」
「僕が慣らしましょうか」
「なんで慣らしてるってわかんだよ」
「何回もしてますから」
「今日は俺が全部やるって言ったろ」
「はいはい」

はぁ、と鎖骨辺りに熱い呼吸がかかる。
背筋が粟立つ。
田中さんの一挙一動にすら顕著に反応してしまう。田中さんが僕に目隠しをしたのはきっと羞恥からなのだろうけど、何も見えない状態からだとかえって他の感覚が鋭くなるから、田中さんの今の表情だとか格好だとかを想像してしまうから、かえって逆効果だ。

「田中さん、ゴム付けなくていいんですか」
「いらない」

僕のシャツはすでにはだけていて、ベルトも半分外されている。
なんだか、僕が犯される側みたいだ。
そんなことを考えていると下半身に触れられて、田中さん頑張るなあ、なんて思う。
いつもは腰痛くなるからやだーだとか中に出すのはやだーだとかなんかしらやだやだ言うのに、今日はやたらやる気だ。

「ん、…っ…」
「あ、ちょ、銜えるなら銜えるって言ってください」
「うっせぇ、だったら銜えないでも勃て」
「きゃー田中先輩卑猥ー」
「うぜぇ」

静かな部屋内に、水音だけが響く。
下半身がじわじわ熱くなる。田中さんの表情が見えないのが残念だ。

「ん、入れる」
「……はい」

田中さんが僕に再び跨がる。
手で田中さんの蕾まで導かれるが、導かれるだけで、ぬるぬると擦りつけられてじらされる。

「っ、田中、さん」
「……どうしたい?」
「……僕に目隠ししてるからってそうやって…目隠し取りますよ」
「取ったら怒る」

べろりと首筋を舐められる。
下はまだじらされているままだ。

「……月島、…どうしたい?」
「……いれたい、です」
「ん、よくできました……っあ…」

ぬるり、と熱い胎内へ導かれる。
下半身が急にきゅぅう、と締め付けられて、つい腰が浮く。

「ん…っ…は、ぁ…」
「田中さん、ほんと、目隠し取りたい…」
「駄目、だって…ぁっ」

田中さんの身体をまさぐる。
筋肉の堅さと、ほんの少しの脂肪の柔らかさ。
ようやく辿り着いた胸の飾りを引っ掻くと田中さんの口から小さく声が漏れた。

「ぁ、さわ、んなっ」
「ほんとなら今すぐ目隠し取って押し倒してめちゃくちゃに動きたいんですが」
「だ、から、今日は俺がやるから、動くな」
「っ、これ意外と、キツいんですって……お預けされてる犬の気分です」
「は、いい。俺が責めてるみたいで」
「…あ…」
「ん?」
「……いえ、もう、思う存分どうぞ」
「……お言葉に甘えて」


僕は目隠しで覆われた視界の奥に、確かに情欲に塗れた瞳を視た。














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かずさんリクの、襲い受け月田でした!
なんだか襲い受けになりきれなかった感じのあれです。
リクありがとうございました!

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