※俺って兎だから(微グロ/甘)
ああもう、大好き大好き大好き。
好きすぎておかしくなりそう。
君の真っ白な肌が好き。
さらさらの黒髪が好き。
すらっとした足が好き。
低くて心地良い声が好き。
撫でてくれる手が好き。
気持ちよくしてくれる身体が好き。
――苦しんでるときの、吐息が好き。
「ッ……ふ…」
「痛い?」
「いや、……別に」
彼の肩にがりっと噛みつくと、じわりと血がにじんだ。血の味。鉄の味。
流れる血を舐めると、彼が痛そうに吐息を漏らす。
「やっぱり痛いんだ?」
「っるさい。そりゃあ痛いさ」
「ふふ。強がり。最初から痛いって言えばいいのに」
でも、痛いのが気持ちいいんでしょ?
いたずらっぽく言って、軽く唇を合わせる。
彼の血の味のキス。
「しっかし……」
「ん?なぁに?」
「俺もお前も、好き者だよなぁ……」
「うっさい。余計なお世話」
抱き合う。
自分より一回り大きい身体に抱きつくと、とても安心する。
「いいじゃん。他に相手がいないみたいで」
「まぁ、そうだわな」
「僕が死んだらどうする?」
「さぁ」
「冷たーい」
「……多分、死ぬかなぁ」
「……」
「やっぱさみしいし。ほら、俺兎だから、さみしいと死んじゃうの」
「……可愛くなーい」
「お前は可愛いけど」
「…………キザ」
ああもう、負け負け。
今日はいっぱいサービスしちゃう。
こんなにキザで甘ったるいこと言われて本気になっちゃうあたり、やっぱり僕はこいつにベタ惚れなんだろうなぁと思った。
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