※君が僕を殺す(及影/裏)
・首絞めセックス
く、とゆっくりゆっくり、細く白い首を握る手に力を込めていく。きしむ骨。蠢く筋肉。
飛雄ちゃんの身体が強張る。ぎゅうぎゅうと痛いくらい締め付けてくる胎内。
「あっ…ぐ、おいかわ、さ…ん…」
「苦しいの?」
頷いているのだろうか、飛雄ちゃんの喉から微妙に振動が伝わってくる。
「でもねぇ、俺も苦しいんだよ?だって、飛雄ちゃんが俺のこと締め付けるから」
「そ、んな、…ッぁ」
理不尽だ、とでも言うように睨まれるが、無視して、言葉を続ける。勿論手の力は弱めない。
「でも飛雄ちゃん、首絞められるの好きでしょ」
可愛い可愛い飛雄ちゃんの顔が赤を通り越して青くなってしまったので、ぱっ、と手を離す。危ない危ない、死んじゃったら大変だ。死姦ってやつも、興奮するんだろうけどさ。
「げほっ、はっ、ん、ぁ」
「飛雄ちゃんマゾだから、ね」
「っちが、…ぁ…!」
「うそつき」
キスをする。飛雄ちゃんの舌を甘噛みして、吸って、また噛む。飛雄ちゃんはキスが好きだから、キスのときだけは抵抗せずに、力を抜いてくれる。
「飛雄ちゃん、かわいい」
「…ん、きもち、わる」
「それは、心外だなあ」
「ぁ、あっ」
白い身体を揺さぶる。くらくらと目眩がする。視界が揺れる。頭が痺れる。
「飛雄ちゃん、好きだよ」
「っぁ、俺は、嫌いです」
「俺が飛雄ちゃんのこと好きならいいんだよ、そんなこと」
もっと強く突くと、高かった嬌声が、また少し高くなる。ほどよく掠れるその声が、耳にとても心地好い。
「っ、……はぁ」
「ぁ、ン、でも」
「んー…?」
「アンタの今のその顔は、嫌いじゃないです」
「……生意気」
俺は今どんな顔をしていたのだろうか。
行為中の飛雄ちゃんの可愛い顔を見れるのは俺だけだけど、逆に言えば飛雄ちゃんも、他の人が知らない俺の顔を知っているということだ。
二人だけの、秘密。
それを共有している、ということがなんだかくすぐったい。
「あ、んん…っ、ああっ…!」
「っく…ぁ……はあ…」
白濁が弾ける。
肩で息をする飛雄ちゃんの赤くなった首をぺろりと舐める。
「男くさい顔」
「そりゃあ男だからね」
「獣みたいだ」
「そんなもんだよ」
飛雄ちゃんが、くつりと笑う。
切れ長の漆黒の瞳に射抜かれる。
背筋にぞわりとした感覚が走る。
そうだ、俺はこの目にヤられたんだ。
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