いつになったら、無くした未来を。(まどマギ/まど←ほむ/百合)

・百合注意











「ねぇほむらちゃん、私、好きな人ができたの」

まどかが、恥ずかしそうに微笑む。
思わず歩みが止まる。

「………そう」

不思議そうな顔で私の顔を覗き込むまどかから目を反らして、小さな声で、言う。

なんとなく、わかっていた。
まどかに好きな人ができたことは。
さらさらの桃色の髪、綺麗に整えられた爪。時々上の空になったり、溜め息をついたり、思い当たる節はあった。

「………応援、してくれる?」

ああ、そんな顔でお願いされたら、

「もちろん」

断れるわけ、ないじゃない。

隣を歩くまどかが、嬉しそうに微笑む。
ありがとう、と私の手を握るまどか。
じわり、と温かさとときめきと切なさか私の手に伝わる。

「まどかの、ためだもの」

口にした途端、ずきりと痛む胸。
胸中で渦巻くドス黒い感情。
これは、嫉妬だ。
うわべではまどかのためだとか善人ぶっておいて、実は嫉妬をしている。相手を、羨んでいる。相手を、……恨んでいる。
まどかの中にいるのは、自分だけであってほしかった。自分だけ、見ていてくれればよかった。まどかの目に、自分以外が映るだなんて、耐えられない。

「ほむらちゃん?どうしたの?」

「………なんでもないわ」

足早に歩く。待って〜と着いてくるまどか。

「………あっ」

まどかが、不意に声をあげる。
振り向く。
空を見上げるまどか。

「………雪」

ちらちらと、雪が降っていた。
弱く、白く、美しく。

「きれい」

まどかの笑顔はきらきらと輝いている。
人は恋をすると美しくなる、というが、それは本当のことなのだ、と改めて理解する。相手が自分じゃないのが惜しい、だなんて醜いことを考える。

「………冷たい」

雪とは、恋に似ているのかも知れない。
美しく、儚く、鮮やかで、冷たくて。
寒い寒い冬を越えれば、暖かい春が待っている。

(…でも、私の恋は……)

私の恋は、違う。


やがて雪は融けるけれども、
私のこのほの暗く醜い恋心は、
春になっても、
消えずに残るのだろう。
















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映画見たい。
ゆるい百合が大好物です

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