※背徳感と、それと、(月田/裏)


ぎっ、ぎっ、と、男二人分の体重で、少し大きめのソファーが軋む。

二人で、久しぶりの月島の家で、テレビを見ながら他愛のない話をしていただけなのに、なぜこんなことになったのだろうか。

田中は、熱に浮かされた頭の中で、ぼんやりと考える。

なんだったっけ。テレビで、お笑い番組見て、そのあと、ドラマ見て。主演の女優が潔子さんに似てる、ってちょっとはしゃいだら、なぜか月島にキスされて、そのまま……

「ッく、ぁ、…っ…ん…!!」
「っ……こっちに、集中してよ…」
「っる、さ…ぁ…や、ぁ…!!」

いいトコロを擦られ、何も言えなくなる。
こいつは年下のくせに、やたらこういう行為に手慣れてる感じがして、時々妬く。
それとも、俺が慣れてないだけか。
まさか、童貞より先に処女を捨ててしまうとは、我ながら屈辱である。

「く、ぅ…あ、も、やめ…」
「……まだ、もっかいだけ」
「ァ、ん、それ、さっきも聞いた…!」

月島にしがみつく。
真っ赤になった顔を見られたくないのだ。

「っは、かわい。いつもこんなんならいーのに」
「ぅ、あ…ゃっば…も、いく…!!」
「ん、……僕も」
「あ、ぁ、…っ…っくぅう…!!」

情けない、女みたいな喘ぎ声とほぼ同時に、精を吐き出す。
俺の腹と、月島の腹が、俺の精液で汚れる。
男に突っ込まれてイクとか、最悪

ずるり、と自分の身体から、月島のソレが抜かれる。とろり、とたくさん注ぎ込まれた月島の精液が出ていく感触に、甘い痺れが背筋を走る。

「なんで、イクときに声堪えちゃうんですか。好きなのに」
「……自分の気持ち悪い声なんざ、聞きたくねぇだろ」

嘘。
男に自分が抱かれてる、という現実を、背徳を、感じるのが嫌だから、恥ずかしいから。

「ふーん……っていうか、服、汚れちゃいましたね」
「お前が脱がせないから…」
「何、脱がせてほしかったんですか?」

カァア、と、顔が熱くなるのを感じる。

「…な、…っば、ばっかじゃねぇの!?」
「………」
「……月島?」
「……ごめん、可愛すぎた…」
「え、ちょ、ゃ、また……」
「もっかい、これで本当最後ですから」

いつもより艶っぽい声で囁かれて、耳たぶを甘噛みされる。

ずくり、と下腹部がうずく。

「っ、んで、今日、そんなに発情してんだよ…雄犬かっつの…」
「田中さんが悪いんですよ」
「な、ぁ、俺、なんも、してな…」
「僕の前で、潔子さんがどうたら言ってたじゃないですか」
「っ、ん、ぁ、お前……嫉妬してんだ?」
「してますよ」
「ばっかみてー…っん…」

その言葉を認められると、今まで自分の上で腰を振っていた発情期の犬が、たまらなく可愛く見えた。

仕方ない、本当に最後。この一回だけ、この生意気な後輩に主導権を握らせてやろう。














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