槿花一日。








泣き叫ぶ迷子の女の子を見て、俺の上司であるピンク色の特徴的なロングヘアーの大佐はため息をついた。


「なんで毎度毎度うちの隊に押し付けられるのかしら、ヒナ不満。」

「いやー、軍曹がいるからじゃないですかねぇ。」


アハハと苦笑いすれば大佐は眉間にシワを寄せた。そして徐に手を2回叩いた。


「シアン!!」


ちなみに今呼ばれた噂の軍曹はこの場には居ない。電電虫無しに呼び付けるのは無理があるんじゃないですか、と声を掛けようとした、その時。ダダダダダと走って来る足音がした。いやいや、まさか。


「呼びましたかヒナちゃぁぁぁん!!」


いやいやいやいや、まさかだったよ。ほら驚き過ぎて迷子の子泣き止んじゃったじゃないかというか何で平然としてるんですか大佐。その来て当然みたいな態度やめましょう普通じゃないですよ。叫びながら駆け寄ってきたシアン軍曹は大佐の前で敬礼した。そんな軍曹を一瞥して、大佐は簡潔に用件を述べる。


「この子。親御さんが来るまで任せたわよ。」

「はい、任されました!!」


ニッコーと笑いながら言った軍曹は、パッと俺の横に居る子に視線を移すとしゃがみ込んで笑いかけた。


「はじめまして、僕はシアンです。貴女のお名前は??」

「……、マミ。」


くすん、と小さく鼻を鳴らした迷子の少女が名乗ってくれた。


「……、さっきまで名乗るどころか泣き止まなかったのに。」


その懐柔の速さに目を白黒させていると、大佐が軽くため息を付きながら言う。


「今に始まったことじゃないじゃない。いいから早くあんたも探しに行きなさい。さっさと片すわよ。」

「了解。」


顎で外を指す大佐に促され、迷子の子の両親を探しに出る。


「いってらっしゃいヒナちゃん!!」

「いいからその子頼むわよ。」

「はい。」


にこにこと俺らを、というか大佐を見送りながら「あのお姉さん達が今ママを連れてきてくれますからねー。」なんて、迷子の少女と笑いあう軍曹。


「全く、あの迷子に対する対応だけは見習いたいわ。ヒナ羨望。」

「ははは、子供にあんまり好かれないですもんね、大佐。」


今の子も大佐を見てより大泣きする始末だったなと、思い出して思わず笑えば睨まれた。


「五月蠅いわよ、ヒナ苛苛。」

「す、すいません。」









迷子担当。








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モブが大分出張りましたね、すいません。

大佐が子供苦手だったら俺得って
妄想から出てきた話。
主が子供の応対上手いもんで黒檻班に
よく迷子任されたりすればいいよ!!なんて。







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