槿花一日。









※なんとなく現パロ風味












4月1日、告白してみました。


「ごめんなさい。私、あなたのこと嫌いなの。」


4月1日昼下がり、玉砕。今日は楽しい誕生日のはずだった。去って行く背中を眺め、見えなくなってから、今回キューピッドをしてくれたはずの、自らは無駄に持てるサンジくんに電話した。


『嘘だろ!?エイプリルフールだってついちゃまずい嘘が、』

「大まじめだ。」

『…………ケーキ焼いてやるから家で誕生日パーティーしてやろうか。』

「下手に慰めるなばかやろう。」


余計に、惨めになるだろうが。せめてもの強がりで、そうは言わなかった。あぁ、君と2人で誕生日パーティーの予定だったのに。


「とりあえず、切るわ。」

『え、あ、おう。』


買ってしまったケーキを一人で片付けねばならなくなるとは。パタンと携帯を閉じて、歩き出す。まっすぐ家に帰る気分にはなれなくて、迂回してみる。見慣れた景色をぐるぐる回る。ため息が止まらない。涙も出ない。

いい感じだと思って、勝手に舞い上がるほど、格好悪いこたぁない。情けない、俺。追いかける勇気もなく、無気力な俺。


「かっこわりぃ。」


誕生日とか、最早どうでもよかった。もやもやと、蟠りが残るのだ。


「お、ウソップじゃないか!!奇遇だな!!」

「チョッパー、」


角を曲がると出くわしたちっさな無垢そうな友人。


「どうかしたのか??元気ないぞ??」


せめて出会い頭におめでとうがあればまだよかったのに。所詮友人でもその程度の認識か、と苦笑い。


「チョッパー、家にケーキあんだけど食うか??」

「ケーキ!?いいのか!?」

「あぁ、一人じゃ食い切れねぇんだ。」

「うっひょー!!ウソップお前いいやつだな!!」


目を輝かせるチョッパーに、一応笑って見せる。もう、いいや。今年は誕生日が来なかったことにすれば。

チョッパーと2人で家に向かう。たわいのない話をしながら。ダラダラ歩いて家に着いて、鍵を開けようとして、違和感。鍵、開いてる。更に空き巣とか鑑別してくれよ、と涙目になりながら玄関に踏み入れる。靴が異様にあるんだが。


「ん??ナミ達も呼んだのか??」


すんすんと鼻を鳴らしていつものメンツの匂いでも嗅ぎ取ったらしいチョッパーが言う。


「いや、呼んじゃいな、」


パァン。


そこまでいって襖を開けたら、突然クラッカーの音。


キィ、


目をぱちぱちさせていると後ろで扉が開いて振り返る。

"ドッキリ大成功"

と書かれたパネルと、君。


「は??」


俺の間抜けな声と皆の笑い声。


「ごめんなさい、ウソップ。あなたの困った顔や、泣きそうな顔見るの好きなのよ。」

「ハァ!?」

「Sみたいなのよ、私。」









(ただ、俺をからかいたかっただけとか)




―――――
お題提供 ミクロン様

2012ウソップ誕

嘘を絡めようとしたら
すげぇ酷いことになったw

嫌いなんじゃないよウソップ!!
ハッピーエンドなはずだよ!!←

とにかく誕生日おめでとうウソップ!!



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