槿花一日。









※男主です。










「―――――っだ、か、ら、意味分かんねぇっつってるだろーが!!」

「分からなくないわよ!!この分からず屋!!」

「はぁぁ!?どっからどーみてもおかしいだろうが!!」


サウザントサニー号甲板、俺は今日も目の前の気に食わねえ女に向かって終わりのない会話を繰り返していた。


「どこがおかしいってのよ!!」

「こないだ借りた3000ベリー!!1週間で利子18000ベリーってどう考えてもおかしいだろ!!利子何%だ!!」

「自分で計算しなさいよ。」

「しれっと言うなどこの高利貸だてめえ!!」


今日の発端は『あ、こないだ貸した21000ベリー、早く返してね』と言う彼女の一言だ。この一味の航海士どうもがめつ過ぎていけない。


「ななしてめぇ!!んナミすぁんになんて言葉遣いしやがる!!」


ぎゃーぎゃー騒いでいると踵落としを後頭部に食らう。


「ってぇ、こんの万年発情コック邪魔すんじゃねぇよこちとら生活が掛かってんだ!!」


八つ当たりがてらサンジに悪態をつけば


「てめぇの財政状況なんざ知るか!!ねーナぁミすぁぁん。」


と、ハートを辺り一面に撒き散らす。


「ったく何処がいいんだこんなあくどい守銭奴女。」


そんなサンジを見てため息をつきながらぼそっとそう言えば、


「あーら、こんなにいい女なのに何をおっしゃるのかしら。」


と、わざわざ髪をかきあげうなじを見せ付ける。サンジが横で鼻血を出しながらぶっ倒れる。


「はっ、本当にいい女はんなこた言わねぇんだよなーぁ、ロビン??」


俺は大袈裟にやれやれと言わんばかりのジェスチャーをして向こう側に居るロビンにそう言った。


「さぁ、どうかしらね。」


机に本を広げ優雅に紅茶を飲みながらこんな馬鹿げた会話に微笑みながら返してくれるロビンは本当に綺麗だと思う。


「ナミもロビンを見習ったらどーだ??あーいうのが本当の美しい女せ、」


そこまで言ったところで突然今度は側頭部に痛みが走り、甲板にぶっ倒れる。


「やっぱり返済金額30000ベリーよ!!」


ナミの怒った声が聞こえて、あぁ、今ナミの拳固くらったのかと理解する反面、


「はぁ!?なんで値上げす…、」


突然の値上げに不服の申し立てをしようとしたが、


「知らないわよ!!」


と、ナミはズカズカと歩いて船室に引っ込んだ。


「……んだよナミの奴…、」


ズキズキ痛む頭を摩りながらその場で胡座をかいて座る。口を尖らせて、ぶつぶつと文句を垂れるがああなっちゃ多分、ガチで金返さなきゃいけねーなと、渋々立ち上がる。


「三万もあったかな…、」


財布を見に部屋に行こうとしたら、


「あー、なんだ今回はお前が折れたのか痴話喧嘩。」


船縁で釣りをしていたウソップがニヤニヤしながらそう言った。


「あぁ!?痴話喧嘩じゃねえよ。突き落とすぞ長っ鼻。」


ギロと睨んで、黙らせると、はぁ、と盛大なため息をついて今度こそ部屋に向かう。




まるでただの痴話喧嘩


(次島に着いたら)
(買い物に付き合ってやらないといけねぇか、)



――――――
お題提供 市ノ瀬様



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