私がパイプ椅子に座りながらお茶を啜っていると、扉があいた。
扉を開けた奴の顔をみると私はニッコリと笑い、ソイツ等に笑顔を向けた。
「おはよう木市、愛箕」
「お、おはよう志歩ちゃん……」
「おはよー……あれ?今日は早いね志歩りん」
「あぁ、そうだな!それより今日は清々しいほどのいい天気だな!!」
私はそう言ってカーテンで閉ざされている窓を指さした。
そうすると愛箕と木市が私の指さしてる方に顔を向けた
そして、木市と愛箕が顔をあわせると木市が恐る恐るという感じで私に言ってきた。
「……志歩ちゃん今日は大雨だよ」
「そうだな!!だからどうした!!」
「重傷だ!まなみん!どうしよう!!重傷だ!!ねぇ、聞いてる!?」
木市はそう言って隣にいる愛箕の肩を凄い揺らした
揺らされてる本人は物凄く嫌そうな顔をしてるが。
「聞こえたよー、聞こえたからー、だから今聞こえたから!!」
「ぎゃっ!…ご、ごめん」
「いや、いいよ。それより、志歩りんそんなに嬉しいのー?この天気」
愛箕がパイプ椅子に座りながら聞いてきた、木市は微かに首を縦に振っている、私がそれを見るとビクッ!!となりピタッと止まったけど、なぜだ。
「当たり前だ!!何故お前達には分からない!!」
「志歩りん……、いちよー言うけどココは変人の集まりなんだからね」
「あぁ、そうか、すまんすまん。お前が今、手に持っている期間限定蜂蜜入りあんこおにぎりを美味しいと思えと言ってるのと同じか」
「……………」
「うげぇマズそ、それ罰ゲーム並みか上いってるよ」
木市は期間限定蜂蜜入りあんこおにぎりと言う商品名を聞いただけで真っ青になってる
罰ゲームは物凄く同感だ。
まぁ、さっき愛箕が言ったとおりココは変人ばかりがいる集まりだ
「私と木市と愛箕…」
「とー」
「え!?他の人もいるの!?」
「「え」」
「……あぁ、そっか木市はココにきたのが一番最後だもんな」
「え、でもー、木市がココに来てからアイツ等もココには来てたんだけどなー」
「えっ、俺会ってない!志歩ちゃんとまなみんしか会ってない!!」
「そうかそうか。じゃか今度会わせないとだな」
私がそう言うと三人全員で頷いた。
ほぼ毎日ココにくるのは私と愛箕と木市ぐらいだ。
ここは変人の集まりなのでな、全員が集まるなんて年に1、2回しかない。
でも、全員ぼちぼちココにくるから会わないほうが珍しい。
でも木市大丈夫かななんて思ってると その不安を愛箕が言ってくれた。
「でも木市大丈夫?」
「何が、何が!?」
「ここの人達キャラ濃いからなー。刺激たっぷりー」
「………え、そうなの、俺平気かな…」
へこんでいる木市を見ているとドアが開いてひょこっと顔だけ出てきたのは女の人
「あ、部長」
「やーねー部長なんてー、部長なんて表面上なのにー、実質ここの部長志歩ちゃんだってよく間違われるんだからねー!」
「それはすいません」
「んーん、いいのーいいのー!それよりその子だぁれ?新しい子?」
部長はそう言って木市に近づいてきた。
部長に気付いた木市はビクッとなりパイプ椅子から勢い良く立ち挨拶をした。
「ど、どうも!おはようございます!!木市です!!」
「うんうん!木市君かー木市君。私は表面上部長の真(マコト)でっす!宜しく、ねっ☆」
部長は木市の手を無理矢理つかみブンブン振り回した、否、ブンブン振り回しながら握手をした。
「部長、いい加減離さないと木市の腕がもげます」
「あぁ、そうね!!ごめんね木市君!」
「い、いえ」
木市は疲れたようにパイプ椅子に座った。
エネルギー消費が激しいな。
「ねーねーそれよりいる?いる?いる?」
「何がですか」
「激辛!わさびとハバネロどら焼き!」
「入りません」
「えー残念ー!じゃあ…………愛箕君いる?」
「部長もいります?蜂蜜入りあんこおにぎり」
「いるわけないでしょ」
「いるわけない」
「ヒイィッ!!」
木市が2人の険悪な雰囲気にビビってこっちに来てから私の後ろに隠れコソコソと話しかけてきた。
「ね、ねぇ、あの2人って」
「あぁ、部長はかなりの辛党なんだ。だから甘党の愛箕とは相性が合わない」
「そ、そうゆうことなら早く言って!怖すぎ!」
「そんなんでビビってたら後々やっていけないぞ」
「な、ななんで!!」
「まだ、話が通じるからな。他の奴らは話が通じない奴が多い」
「アレでましなのー…」
木市は目に見えるほど、うなだれた
木市に教えてやろう、身の安全のためにこれを教えても絶対安全ってわけじゃないけど。
「木市これだけは忘れんな」
「なにが……」
「「「普通そうなのが一番危ない」」」
「ヒッ!なんで三人で言うんだよ!!怖いじゃん!!!」
部長達は蜂蜜入りあんこおにぎりとわさびとハバネロどら焼きを食いながら私達の話を聞いてたようで私と一緒に言ってきた。
「ココに代々、受け継がれている言葉よ!由緒正しいのよ!!」
「部長、木市に嘘言わないで下さい。」
「てへっ☆」
「キモいんだよ、ばばあ。良い歳してー」
「あぁ?なんだってこのクソガキが!」
「…あー、また始まったよ」
「な、なに志歩ちゃん、いつものことなの?」
「あぁ」
「………………俺やって行けるかな………まともな人はいないのかな?」
私は木市の愚痴のような独り言と部長と愛箕の喧嘩を聞きながら窓を見て鼻歌を歌うことにした。
とある朝のこと
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