雨と体温

タロはキーの頬にそっと手を添える。その手にキーが手を添えた。

「ボクのさみしさと体温を、奪って」

キーはそう言うと、瞳を閉じ、微笑んだ。

「いいの?きっと後悔するよ。」

タロはキーの瞳を覗き込み、切なそうな顔をして囁いた。
キーは構わず、タロの腰に手を回す。

「なにしてほしい?触る?舐める?」
「手を繋いで、キー。」

彼らは指を絡ませ、唇を重ねた。
冷たい唇に、冷たいてのひら。
彼らは熱に飢えていてた。

バタバタ、バタバタ。窓を叩く、夜の雨の音に紛れ、二人はキスをしていた。
ちゅ……ちゅ……と、柔らかい部分を吸う音がする。
舌を絡めるたびに、塞ぎあっているはずの唇から、甘い声が漏れた。

「ん……んぅ、タロ、もっと触っていいかな……。」

キーはそう言うと、服の上からタロの下半身にそっと触れた。
指先を上へ下へ這わせている。

「……う!どうして、うぁ、ちょっと…!」
「気持ちいい?ボクにもしてよ……。ねえ。あたたかい……。」

下着越しに少し湿ってきた部分を、執拗にキーは撫でる。
タロはびくん、びくんと反応してしまいながらも、キーの下着の中に手を入れた。
そこはすでにぬるぬると湿っていて、時折ひくひくと何かを求めていた。

「ずっと待ってたんだよ……。ほら、もっとキスしようよ……。」
「キー、ひどいよ……!」

はあ、はあと熱い息を吐き、言葉を遮るかのように、互いの唇を食み、つう、と血の混じった涎を垂らした。
片手は指を絡めたままで、もう片方の手は互いの劣情を撫でている。
タロは涙を流し、まっすぐでうつろな瞳でキーの瞳を見ていた。

「ねえ、タロ。いっちゃう?フフフ……」

キーはわざとゆっくりと、タロの下着越しに、熱を帯びた罪悪感を指でなぞった。

「うう、うう、あう……。」

タロはびくん、びくん、と、震えると、そのままキーを強く抱きしめた。

「後で一緒にお風呂に入ろうね、キー。」

とてもとても切なそうな声で、キーに囁いた。


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