軽く志摩や三輪と会話をしているとドアが開き、一人の男の子と一匹の犬が入って来た。

彼が、そうか。獅朗の息子の奥村燐か。
隣の犬に目をやるとウインクされた。本当に、こいつ殴ってやろうか。そう思っているとまたドアが開き私たちとは違う、祓魔師の服を来た男の子が入って来た。あれは……、


「あれ?あの人、新入生代表の人やないですか?」
「…同い年いうことか?」


前に座る勝呂と三輪の会話。確か、名前は奥村雪男……奥村…。そう言えば、獅朗が育ててたのは双子だったっけ。


「初めまして、対・悪魔薬学を教える奥村雪男です」
「ゆきお!?」

「なんや、あの前に座っとる子と知り合いみたいやね」
「みたいだな」


そう言えば、弟のほうはもう祓魔師になっていると聞いたことがあるような。ちゃんと聞いておけばよかったか。なんて事を思っているといつの間にか奥村燐は席を立ち弟へ突っかかっていた。


「……じゃあ…、なんで俺に言わねーんだ!!」
「っ!」


あ。なんて言葉が聞こえる以前に奥村弟が持っていた試験管が床へ落ち異様な臭いが部屋をうめた。


「ぶわくっさ!?なんだこの臭い…っ!」

「あ、アカンっ鼻がひん曲がる…!」

志摩の言葉を聞きながら、服の裾で鼻を押さえて臭いから逃げていると突然天井が音を立てて壊れた。


「悪魔!」
「え、どこ!?」
「そこ!」


出雲の声に勝呂が反応する。出雲が指差すほうを見れば凶暴化しか小鬼の姿が見えた。
出雲と朔子のほうへ襲いかかる小鬼へ奥村弟が銃を取り出し撃ち落とした。


「教室の外に非難して!」


奥村弟の言葉に従い志摩たちは教室の外へと出た。
外へ出る一歩前、一度立ち止まった私は小さく口を動かした。

「――、…」
「空斗?早よ出な危ないですよ!」
「あぁ、今行く」
「申し訳ありませんが…僕が駆除し終えるまで外で待機していてください。奥村くんも早く……」

バンっ!

「きゃっ」
「!」


私が部屋を出ると同時に勢いよい閉められたドア。荒々しいな、などと考えながら小さくため息を付いた。

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