ロマンチック☆リアル


5月10日
ーーー夢を見た。

「メル、こっち来いよ」

まるでおとぎ話にでてくる王子様が座るような華やかな椅子に深く腰かけて
制服に頭にはかぼちゃの形のクラウンというなんともバランスの悪いサスケくんがいた。

「……なに、その格好…」
「メルの誕生日だからトクベツに王子風にしてみました」
「え、夢?」

バチン、と自分の頬を叩く。
でも痛くない。どうやらこれは、やっぱり夢らしい。

だよねぇ。サスケくんがそんなの付けるわけないし、王子風なんて言うはずもない。


夢か。そうか。


「夢か夢じゃないかなんていいだろ?それよりも、早くメルにさわりたい」


普段は絶対にこんなこと言わない。
全然、愛なんか言わない。

心地いい夢。
好きなひとが、手招きして、わたしを導いてくれる。すてき。こたえたい。


「メル」

おずおずと足を進めると、腕を掴まれ、グッと引かれた。倒れ込むわたしをサスケくんは優しく抱きとめてくれた。

「メル、かわいいよ」

耳元でささやかれる甘いセリフ。

「メル、好きだよ。だから、キスしてよ」

ふわふわする心臓と、何か、違和感を感じてしまう頭の奥が交差する。
これは、夢。サスケくんだけど、普段のサスケくんはこんなことしない。

すてき。
甘い。甘ったるい。

だけど、……


「サスケくんに会いたい…っ」

わたしが好きなサスケくんは、不器用でぶっきらぼうで、素直じゃなくて、優しいのに見返りを求めないひとなの。


ちがうの。

夢。
サスケくんは、夢じゃない。

いつだってそばにいてくれる。


「…そうか。じゃあ、会ってくれば」

「でも、どうやって……」

「簡単だよ。目を閉じて、本物の俺を思い浮かべるんだ。ほら、やってみて」

「……ん」


目を閉じて、サスケくんを思い浮かべる。

優しい。
温かい。
わたしの好きなひと。


「ばいばいメル。…好きだよ」

くちびるに微かなぬくもりを感じた。
それは一瞬で離れた、というより、消えていったと表現したほうが当たっているかも。

閉じた目を開ける間もなく、わたしは意識を失った。
最後に聞いた、夢の中のサスケくんが、せつなく感じた。


ーーー…
ー…


香ばしい香りと甘い匂いがする。

ぱちりと目を開けると、サスケくんの背中が見えた。


ギターの音色。
少し猫背になったサスケくんの背中。

わたし、横向きで、しかもソファーで寝ていたみたい。ゆっくりと、サスケくんの邪魔しないように起き上がると、肩や首が軋むように痛かった。

ああ、ここは夢の中じゃない。

サスケくんは制服だけど、冠なんてかぶってないし。


キッチンを見ると、ママがしぃーっと口元に人差し指を立てた。ここわたしの家か。


「ー…ハッピーバースデイ トゥ ユー」


誕生日の歌をくちすさんで、ギターを弾く。
いとおしい。
誕生日でよかった。

ママがテーブルに料理をならべてる。


「メル、おめでとう」

サスケくんが顔をのぞきこむようにわたしの場所まで屈むから、わたしは寝たふりをした。


「メル、ありがとう」


何がありがとうなんだろう。
わからないけど、わたしもありがとうだよ。


サスケくんのとなりで誕生日を迎えられたこと。本当に本当に幸せだよ。

好きだよ。
これからも


「ずっと、そばで祝うから。」


……そうしてね。


*おわり*


メルちゃん!
1ヶ月以上遅れましたごめんなさい土下座ーッッッ
わたしはこれをおたおめ小説だなんて言えません。日頃のお礼小説です。はい。ごめんね、好きですメルちゃん。(今言うwww

メルちゃんと「夜明けのむこう」のサスケくんです。半分以上、夢の中のサスケくんで全然サスケくんじゃないけど、…こ、後半はいい感じにサスケくんだと思うんだ!滅多に言わない愛の言葉みたいなのを誕生日だしメルちゃん寝てるし言っちゃえー的な感じなのがサスケくんらしいんじゃないかな???(超☆不☆安)

いつもメルちゃんありがとうね。
大学やバイト、がんばってね。

メルちゃんらびゅーーーん!!!


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