「は?今日?」
「はい」

紫門さんの問いに頷くと、紫門さんはまたどこかへ消えてしまった。

もうすぐ紫門さんの電車来るはずなのに、どうしたんだろう。


とりあえずスマホを取り出していじってると、左肩を叩かれた。

「?」
「やる」

そう言われて無意識に出した手の平に落とされてくお菓子。や…山ができた。

「あと何がいい。すぐにやれるもので」

「え、あの、これはもしや誕生日プレゼント…?」
「それしかねーだろ」

「いいいいりません!すみません気をつかわせてしまって!」


ぐいっとお菓子の山を紫門さんの方へ送ると、押し返されてしまった。


「俺が勝手にあげたいと思ったんだから素直に受け取れば?」

「…っ」

んな、ポーカーフェースで言われても…。

だけどなんだかんだ嬉しくて、お菓子の山を持ってきていた巾着袋にしまった。

「で、何がいい?」
「んー……あ。メアドがいいですメアドが!」
「メール?」
「はい。あ、個人情報なのでいやだったらいいんですけ…」

言い終わる前に差し出されたケータイは、まだパカパカケータイだった。
紫門さんらしいなと思った。


画面に書かれた小文字の羅列を一つも見落とさないように打ち込んでく。

「…あのさ」
「はい?」
「稚嘉でいーよ」
「え…?」
「呼び方。稚嘉でいい」

ああもう。

そんなこと言われたら、次の雨の日が待ち遠しくなる。


≪3番ホームに間もなく電車が―――≫

「あ…」
「終わった?」
「あ、はい。あの、電車…」

「うん。俺行くから、ルカは気をつけて」
「ありがとう。ち、稚嘉もね」

呼ぶと稚嘉はふっと笑った。

今度こそ電車に向かう背中を見送る。ばいばい。いってらっしゃ―――


「俺、ルカがいるなら明日から電車にしよーかな。」

「え…っほんとに?嬉しい!」
「ルカ、誕生日おめでとう。今日出会ってくれてありがとな」

「…な…!」

なんだ、この感じ。
稚嘉が気になる。今までとはちょっと違う感じに。


「また、明日」

ドアが閉まる手前。

「あ、稚嘉!ばいばい!いってらっしゃい!」


稚嘉がドア越しに手を振った。わたしに向かって。

それがこんなに嬉しいことだなんて知らなかったよ。


明日もこの言葉が言えることが、今日一番のプレゼントだと思った。


おわり

byストロング ストロベリー





ルカちゃん、お誕生日おめでとう(*^▽^)/だいぶ遅くなって本当に本当にごめんなさいぃぃいぃ(↑ω↑)
こんなことしか出来ないけど、一応プレゼントのつもりです。

ルカちゃんと、『ストスト』の稚嘉です。稚嘉のせいで甘くもなんともないお話になってしまって本当にごめん!

しかも“ルカ”の口調がしどろもどろすぎて……。稚嘉は実はずっと“ルカ”を気になってて見てたから紅茶好きなのを知ってたけど、ヘタレすぎて嘘言っちゃった感じでした(^ω^;)

愛だけは稚嘉と共にたっぷりこめてます☆

生まれてきてくれて、ありがとう。ルカちゃんらしく素敵な17歳の日々を満喫してください(*^^*)


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