おとなりさんに恋 あきちゃへ (set:年上/お隣り住み) ** 「今日隣に引っ越してきた森山夕太や。よろしくな。」 方言なんて初めて聞いた。柔らかくて、お隣りさんの笑顔に、よく似合っていた。 ** あぁ…しまったー。家鍵忘れたー。 突然の夕立で濡れてるうえ、鍵まで忘れて、親は夜まで仕事とか…厄日かっ。 「どうしよ…」 家帰って速攻で風呂入りたかったのに、本当にサイアク。親も、なんで今日にかぎって仕事なの?てゆーか1番悪いのはこの雨だ! 今日は晴れのはずだったのに… 「あれー、お隣りの桜宮さんやん。どうしよったん」 あ。 「森山さん…」 「濡れとるやん」 そうゆう森山さんも雨で濡れてる。傘はない。 「か、鍵、忘れちゃって」 「まじで?あーあかん。濡れとし、うち上がる?」 「え!い、い、いいです、平気ですお構いなくっ」 「あかんて。風邪ひくやん」 あーもう。 そんな優しく笑わないでくださいよ!甘えたくなるじゃないですか! 「だ、大丈夫です、わたし風邪ひかないんで!全然っ」 「や、でもなぁ…。」 「それより森山さんこそ風邪ひいちゃうんで、家入ってください」 「うーん…じゃあ……」 そういって渋々家に入ってゆく森山さんの背中を、消えるまで見つづけた。 いいひとだなぁ、本当に。 しばらく立ちすくんで、それから家のドアに寄り添うようにしゃがみ込んだ。 寒い…… 「これで拭き?」 「わぁっ」 俯いていた頭にふさっと被せられた、柔らかい何か。 顔を上げると、柔らかく笑う森山さんがいて、目がはなせなくなった。 「大丈夫やか?」 そう言って、わたしに被せたタオルで、わたしの髪をフワフワと拭きはじめた。 「…っ、」 撫でるような手つきに、なんだか泣いてしまいそうになった。 「綺麗な髪やな」 「も、森山さ…」 「夕太でええよ。他の奴らにもそう呼ばれとるから」 「ゆ、た…?」 「うん。そう呼んでくれたらうれしい」 柔らかい方言も、優しい笑顔も、通る声も、 本当ははじめから、気になっていた。 話す時は緊張したし、朝会えた時はうれしかった。 「夕太も…濡れてる…」 そう呟くと夕太の手が止まった。その隙に頭の上のタオルを取って、夕太の頭にのせた。 しゃがんでくれていてよかった。 やっと……やっと、手が届いた。 「ゆ、夕太も、あきって呼んでくれたら、うれしいです…」 言いながら、はずかしくて、ひたすら夕太の髪を拭いた。 わたしの髪を拭いた後だったから、タオルは少し湿ってけど、とても甘い香りがした。 「…あきちゃん、かわええなぁ」 「っ!」 お隣りさん。 …から、一歩も二歩も三歩も、何歩も進んで…跳んで、翔けて 方言のカレに、恋、しちゃいました。 おわり byうたかた あきちゃん……1ヶ月以上遅れたKIMORIはコレを誕生日プレゼントだとはとても言えないよ…ごめんね…! 愛だよ愛!あきちゃんなら受け止めてくれるよ、ね…?(お前www 大好きなあきちゃんとユタです(^ω^)ユタのフルネーム初出しですな(笑) いつもありがとう。誕生日プレゼントというには遅すぎるし申し訳ないから、KIMORIからあきちゃんに毎日のお礼です。あきちゃんあいしてる…(逝★け) これからもよろしくね* |