愛しい約束
愛姫ちゃんへ
(set:先生と生徒)



 ◆◇

「…あたしの気持ち、気づいてるんですか……?」

「…17になったら―――」

 ◇◆


放課後、沈みはじめる太陽の光が静かに差し込む音楽室は、今日も先生の城。

漆黒のグランドピアノとスーツ姿の先生は、古びた校舎の床に、少し浮いてる気がした。


「ご苦労さま」

「ぷ!なんですかそれ!」

「や、こんな日に日直やらすとか、お前んとこの担任は意地悪だなって」

「先生じゃんっ」


意味わかんない。だけど、ふはっと息を吐くように笑う先生は、好き。

……あれ?


「こ、こんな日にって…」

今日はあたしの誕生日。今日はあたしの日直の日。


「ん。誕生日プレゼント、たくさんもらってたな」


今日、日直でよかったって、あたしは密かに思ってたよ。

先生。

去年の誕生日にした約束を、覚えてますか。


「あれから1年か。…早いな」


先生はエスパーみたい。あたしは今、去年の今日を思い出してたよ。

先生もだったらいい。
あたしは今日を、待っていた。


「…あたしの気持ち、気づいてるんですか……?」

「ん。約束、だもんな?」

先生はあたしを閉じ込めて離さない。去年のこの日のこの時間から、あたしの心を掴んだまま。

そして今日は、


「こたえて、くれるの…?」

約束の日。


夕日に照らされた先生の目があたしを真っすぐ見た。

「こたえてほしい?」

先生はずるい。

近づく距離に瞬きするのも惜しくて先生を見上げ続けた。


「ふは!」

「え、笑うとこですか!?」

「や、だって今キスしよーとしてんだから、普通目ぇ閉じんだろ」

「な、」


キ、キス!?!?
あたしと先生がキスするの!?

考えただけで顔から火がふきそうだ。それでも、言う通りにまぶたを下ろした。


「………」

…………え、まだ?


「ふははっ、まじでやったよ。愛姫は真面目だなぁ」

「か、からかったの!?」

「んー?んー。」

はずかしい。一人で盛り上がっちゃったじゃん。そうだった。先生は曖昧で意地悪な人なんだった。


「そんなとこが好きなんだけどな」

「…え、今言う!?」

不意打ちだ。
不意打ちすぎて、あんまり聞いてなかった。


「先生、も、もう一回言って!」

「んー?や、だめだろ。一応先生だし。」

「またその理由?もうウンザリ」

「じゃあ………」


17になりました。
先生を好きなまま、1年過ぎました。先生が約束を忘れないでいてくれて、あたしはそれだけで充分だ。

おなかいっぱい。
今日は、とてもじゃないけど夕飯は食べれなそう。

そのくらい満たされた、この先生との空間。先生の笑顔。


「18になったら―――」


また約束ですか。


「…キスくらいしてあげるね、先生」

「……年下のくせに、生意気」

「先生、大好き!」


愛しくてたまらない。

待たずにはいられない。


「誕生日おめでとう、愛姫」

先生との約束は、今日からまた1年、あたしの希望の光になるよ。



おわり

by愛しいごほうび




愛姫ちゃん、誕生日おめでとう(^▽^*)
こんなことしか出来ないけど、一応プレゼントのつもりです。

愛姫ちゃんとサスケくんのお話。KIMORI、愛姫ちゃんはサスケくんを選ぶと予想してたからうれしかったです☆

なのに出来上がるのに時間かかって後15分で日付変わっちゃうという…ごめんね…!


愛だけはたっぷりです!17歳おめでとう!愛姫ちゃん大好きーッ///


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