プリンアラモード。 | ナノ


良く晴れた日のこと。商店街まで夕飯の買い物に出た帰りのことだった。

「ヒカル? どしたー?」

岬と手を繋いで歩いていたヒカルが不意に足を止めると、岬はヒカルがじっと見る視線の先を見やった。そこには色とりどりのケーキが並んだショーウインドウ。
あれは、なんだろう? 見たことがない色とりどりの綺麗なものに、ヒカルの目が釘付けになっていれば、岬がヒカルの手を引きショーウインドウのある店内に促した。

「ケーキか。せっかくだし買ってくか」

けーき…。それが何かはわからないけれど、確かに綺麗で可愛くて。ヒカルは岬の言葉に嬉しそうにはにかむと、一緒に店内へと入った。

「っ…!!」

近くで見たそれは細工が細かくて遠くから見たよりもずっと綺麗で。思わずショーウインドウに張り付いて目を輝かせるヒカルに、岬は楽しそうに笑みを浮かべて言う。

「どれ食べたい?」

「!?」

たべれるの!? 目を見開いて驚くヒカルに、岬はそうだよと笑って頷く。
岬の言葉を聞いて、ヒカルはショーケースに顔がくっつきそうなくらい近付いて、ケーキを眺める。あかいキラキラがのったしろいのも、むらさきのキラキラがいっぱいのっているのも、ちゃいろいふわふわのも、どれもきれいでおいしそう。
だが、綺麗なケーキの並んだショーケースの端に、見覚えのある大好きなものを見つければ、隣にいた岬の服の裾を引っ張った。

「ん? 決まったか?」

あれがいい! そうヒカルが指差したのは、ショーケースの端に並んだ、大好きな黄色いプリン。

「お前、ほんとプリン好きだなぁ。ケーキもいろいろあるんだから、そんな安いのにしなくて良いのに」

それを見た岬が、ぷっと噴き出す。初めて見たケーキをくるくる見ていたと思ったのに、プリンを見つけてしまったら興味は一気にプリンになってしまうのだ。
ヒカルが良いならそうするかと店員に声をかけようとした矢先、岬はあるものを見つけてヒカルに声をかけた。

「あ、あれにしたらどうだ?」

岬がそう言って指差した先にあったのは、プリンに生クリームやフルーツでデコレーションされた、プリンアラモード。

「!!」

ぷりん! きらきらしてる!! ぱっと瞳を見開いてそれを見つめるヒカルを見れば、岬は決まりだな、と店員に声をかけた。

「すみません、プリンアラモード一つと、モンブラン一つ」

店員がケーキを用意する間も、ショーケースの中のプリンアラモードを見つめるヒカルに、岬は笑みを浮かべた。




「ヒカル、準備できたぞ」

ゆーじっ、はやく! 家に帰るなり、今すぐ食べたいというように袖を引っ張っるヒカルに、岬はちょっと待てと笑いながら、自分のコーヒーとヒカルのオレンジジュースを用意し、プリンとケーキを皿に乗せればヒカルを呼んだ。
いつにもなく嬉しそうなヒカルの様子に、岬はプリンと生クリームをスプーンに掬えば、ヒカルの口元に運んでやる。

「…!!」

おいしい!! ぱくりと食べたヒカルが満足そうな笑みを浮かべて岬を見れば、岬は持っていたスプーンをヒカルに渡してやった。もらったスプーンで、もう一口食べれば幸せそうに瞳を細める。

「良かったなぁ」

岬が柔らかい笑みを浮かべてヒカルを見守っていれば、ヒカルはプリンを掬ったスプーンを岬の口元へと持ってきた。

「ん? 俺にくれるのか?」

驚き瞳を見開く岬に、ヒカルは嬉しそうに頷く。その様子に、岬は照れ臭く感じながらも、ぱくりとプリンを頬張る。

「うん、うまいな。ヒカル、ありがとな」

ぽんぽんと頭を撫でながらそう言って笑いかければ、ヒカルは満足げな笑みを浮かべて続きを食べ始めた。

ぷりんはおいしい。
ぷりんあらもーどはキラキラしていて、もっとおいしい。
ゆーじといっしょにたべたら、もっともっとおいしい。

大好きなプリンを頬張りながら、ヒカルは幸せそうに笑った。



プリンアラモード。





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