■ 姫と悪魔と睡魔
姫と悪魔と睡魔がお部屋でなかよく過ごしてるお話し。
・*.°
その日、あくましゅうどうしの背中には泥酔した睡魔が乗っかっていた。あくましゅうどうしの肩と首に腕を回し、足は投げ出された状態でズルズルと引こずられ、あくましゅうどうしもまた睡魔の腰あたりの服を左右とも後ろ手に雑に鷲掴みにし、双方なんとかバランスを保ちながら地下にある自室へと向かっていた。扉が見える。
あと少し。あと少し……。食堂からここまで睡魔の意識がまだあるのが信じられないが、もう数歩も進めば夢の中だろう。このしがみつく腕に力が無くなれば全体重がのしかかってくる。それだけは避けたい。腰がやられてしまう。
「おい、寝るなっ。もうすぐそこだからまだ寝るな」
「ん〜、まかせ……ろぉ〜……」
「寝たら落とす」
「そんなつめ……、た……───」
──スヤァ─。
「もおぉおおぉっ、睡魔ぁ〜!!」
・*.°
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