酒は飲んでも飲まれるな


「お前さ、酒とか飲んでる?」


まただ。前回(タバコなんて〜参照)と同じ雰囲気。これ何てデジャブ?
あ、前回と一緒じゃなかった。今回は郁が居たんだ。……体、大丈夫?


「急にどうしたんだ?」


ほら、郁も同じ事思ってる。
珍しいんだって、あなたからそんな言葉が出てくんのは。


「つーか俺未成年なんだけど。飲んでる飲まない以前の問題なんだって。」

「え?お前留年だろ?」

「違うわ!!」


さすがにそこまでバカじゃないってーの!
まだ入学してきたばっかなんだって!


「……あのさ。」


何か思い出したみたいに郁が口を開いた。
え、何?不安なんだけど。鷹乃様に感化されたとか?


「お前健康診断で17歳って書いてなかったか?」

「やっぱり留年か。」

「違うって!俺誕生日迎えたの!」

「去年?」

「今年!!」


何が何でも留年にしたいのですか鷹乃様!!(※今は5月)
俺そんなにバカっぽい!?少なくとも赤点はぎりぎり免れる頭だからね、俺!


「へぇ、いつだよ。来年祝ってやるから。」

「俺にも教えるよな?」


笑顔で割り込んで来た鷹乃様を直視できず郁の方を向く。
不良の親友とSの申し子、どっちがマシかなんて2秒も悩まない。悩む訳が無い。


「えっと……4月4日。」

「「デス・バースデー…。」」

「それ言う!?」


結構気にしてたんだぞ、嫌な数字に恵まれた誕生日!!
鷹乃様だけならまだしも郁まで…!


「良いんじゃねぇの?猿吉らしい数字で。」


笑いを噛み殺しながら言わないで下さい。
つーか俺らしいって?


「和、頑張れよ。」

「何を!?」

「その、何だ。今年は無理でも来年は……鷹乃に気付かれないようやるから。」


最後は俺達だけに聞こえるよう小さな声に。
鷹乃様なら聞き取れるだろ、なんて思ってしまったのに泣きたくなった。


「猿吉、ビール買ってこい!」

「さっき未成年云々って話したような気がする!」

「つーか何に使う気だよ。」

「ビールの使い道は一つだろ?派手にぶちまける。」

「人生終了の祝杯!?」




俺の人生が終わる頃にビールで乾杯するそうです。
見て見ぬ振りしてる黒板前の先生、生徒がアルコールに手を出そうとしてます!

黒板にびっしり書き込んである英語がちんぷんかんぷんな俺でもこういう時に使う英文は分かりますよ!!



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