サルジスとイケメン様の会話は出来るだけ気にしないように恐る恐る料理を一口食べてみた。


「!?」


何て美味しいの!こんなに美味しい料理は初めて!
名前も分からない料理だけどとにかく美味しいの一言に尽きる。
マナーを知らない私がこんな食べ方をして申し訳ないくらいだわ。……と言ってもちゃんとファミレスで食べるくらいのマナーは弁えてるからね。


「大体リオ兄ちゃんは細かすぎ!」

「様を付けろ。」

「いっそ呼び捨てにしてやろうかバカ兄貴!!」


リオ兄ちゃん……っていうのはイケメン様のお名前かしら。
気にしないつもりがイケメン様の名前とあっちゃ反応せざるを得ないわ。
リオ……は愛称かしらね。リオ様って呼んでみたいわ。

会話……というよりイケメン様の情報が出ないか耳を傾けながら食事を食べ続ける。


「ねーアリス。」


早速こっちに話を振るのね。良いわ、情報を頑張って集めなきゃ!
いきなりイケメン様だと緊張するからまずは妹のサルジスからっと。


「この料理ってとても美味しいですね。」

「え、何で敬語?」


だって教養があるふりをしてイケメン様にアピールしなくちゃだもの。
一応お嬢様みたいだしちゃんと敬語を使わないとね。


「今失礼な事考えたろ。」

「そ、そんな事ありませんよ!」

「うーそだー。」

「良いから早く食べてしまえ馬鹿共が。」

「うっせーよ!」

「食事の最中には静かにしろと教えただろう?」

「文字通り叩き込まれたさ!!」


いったい何があったのかしら。聞くのが恐い。
……大体は想像出来るけどイケメンなあの人がそんな乱暴な訳無いわよね。


「あのー…。」

「何!?」

「ひっ!」

「何の用だ。」

「あ、あのっ!差し支えなければあなた様のお名前を教えて下さい!!」


きゃーっ、言っちゃった!


「何だ、知らなかったのか。随分と頭の悪いアリスだな。」


確かにリサーチ不足なのは認めるけど頭悪いなんて失礼しちゃうわ。
……実際に頭は良くないから余計にね。


「何々?兄ちゃんの名前?兄ちゃんはリオナルドだよ。リオでもレオでもどっちでもオーケー!」

「お前が言うな、この馬鹿者が。」


仰る通り、出来ればご本人の口から聞きたかった。
でもお名前が分かっただけでも十分な収穫だわ!





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