「ねぇアニュー、」

何かやらしい事をするわけもなく、二人で寝転がるには些か狭いベッドで、私達はごろごろと寝転がっていた。
アニューは本を見ていて、私はそれを眺めている。だけど何だか急にアニューに触りたくなって、アニューのさらさらの髪を指ですいた。

「どうしたの?」

そうすれば気になったのか、雑誌から目を離さず、私に聞いてきた。

「アニューはどうして私と一緒にいてくれるの?」

最近、良く思うことがある。

「どうしたの?」
「女のコ、同士じゃない?私達。」
「えぇ、そうね。」
「イヤじゃないの?」

私達は女のコ同士なのに、好きって言い合ったりハグしたり、甘い雰囲気にのまれて普通の女のコ同士ではしないこともする。

私はアニューが好きだから、そうしたいって思うし、他の人としたいとは思わない。
それが男であれ女であれ。

でもアニューはどうなんだろう?
その事について今まで詳しく聞いたことはなく、女のコ同士難しい話だけど彼氏彼女である可能性は極めて低い。

それにもしかして、
もしかしてアニューはこういうの、イヤだったりして?
私に合わせてくれてたり、とか。考えてたらなんか口からポロリと出ちゃった。

そしたらアニューちょっと考えて、困った顔になった。

「私はなまえが好きよ。なまえが本当に大好き。だからもうそんな事言わないで。私はなまえといれば幸せなの。」

もう、その言葉だけで良かった。
アニューはまるで私の欲しい言葉がわかるみたいに、私の耳元で優しく囁いてくれた。

胸が苦しいくらいキュって締め付けられる。嬉しくて。ときめいて。

「アニュー……」

本当に嬉しくて、寝転がりながらアニューに抱きついた。

「甘えたさん?可愛い。」

抱きついた私を受け入れるように腕を回して私を胸に抱きしめてくれた。
アニューの香りでいっぱいになって、あぁ、幸せだって自然と心からそう思った。

「大好きアニュー。」
「うん。」
「愛してるアニュー。」
「えぇ。なまえ、私も愛してるわ。」

ふふって笑いながら私の頭を撫でて身体をギュってしてくれて。
感じることが出来るアニューの体温がとっても心地よかった。


戦いも全部なくなって、私とアニュー二人の世界になってしまえばいいのに。

なんて陳腐な考え。
当たり前だけどそんなことあり得ないよね。
だけどこうしてアニューと二人でいればどうでも良くなっちゃう、戦いとか世界とか。

こうしてギュってしてる時間が、アニューといられる時間が、とってもとっても幸せな時間が。

永遠に続けば良いのになぁ。


この一瞬よ、永遠になれ
(陳腐な考えだけど、一番幸せな時間が永遠ってステキじゃない?)


***
vainskyの百壱さんに、一万打フリリク企画で書いていただきました!
アニューちゃんまじ聖母…。
本当にありがとうございましたっっ

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