この頭痛、熱っぽさ、倦怠感。間違いない――風邪を引いた。
 「うあー……」。薬を飲もうにも、まずは何か食べないと。特別食欲がある訳ではないにしたって、何も食べたくない程でもないから、軽く食べて薬を飲んで、一日安静にしていれば治ると思うのだけれど……。困ったことに、そもそもその起き上がる気力がないらしい。「うぐー……」。毛布にくるまって、ベッドの上をごろりと転がる。せめて、どうにかデスクに手が届けば人も呼べるのに……だめ、やっぱりだるい。起き上がりたくない。
 なんて、そんな無謀な挑戦を繰り返していると、「なまえ、入るぞ」。聞き慣れた声を伴って、部屋の扉が開く。

「うええ、お母さん……!」
「勘弁してくれ、せめてお父さん……って、それもどうなんだ?」

 しまった、声に出てた。
 私が思わず零した言葉にすかさず突っ込むロックオン。けれど、和みかけたのも束の間、「そんなことより、だ」。気を取り直してロックオンが言う。

「どうした? 体調不良か?」
「あたまいたい。だるい。かぜひいた」
「熱は……低くはないがそこまで高い事もなさそうだな」
「なにか食べる物と薬、おねがいしていい?」
「オーライ。ついでにドクターを呼んでくるから診てもらっとけ」
「ん。……あ、のね、」
「で、その後は俺がずっとここにいる。わかったらそんな顔しなさんな」



目は口ほどに物を言う
word request:「お母さん・・・!」
20111230

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