他に誰も見当たらないし、仕方がないから一人で紅茶を啜っていると、ふと人の気配がしてわたしは振り返る。(……リジェネだ。ああ、うわ、よりによって)。そして即座にそれを後悔した。 わたしはリジェネが少し苦手だ。気まぐれで何を考えているのかよくわからないし、意地悪ばかり言うし、リボンズに内緒で何かしてるみたいだし。 「ねえ、なまえ。そんなに僕のことが嫌いかい?」 しかも、平気でこんなことを訊いてくる。 その上、余っていたティーカップに紅茶を注いでいるところを見ると、ここに居座る気らしい。思わず眉根を寄せると、リジェネはひどく愉快そうにくすくすと笑った。 傷口からいちごジャム 20110314 |